第34回衆議院議員総選挙

第34回衆議院議員総選挙の概要

1976年12月5日、日本で実施された第34回衆議院議員総選挙は、戦後初の任期4年満了による選挙として歴史に名を刻みました。この選挙は、解散を伴わない唯一の例でありながら、当時の政治的混迷を映し出すものでした。選挙は「ロッキード選挙」としても知られ、背景には田中角栄元首相の金脈問題やロッキード事件の影響が強く、政治腐敗への国民の不満が色濃く残っていました。

選挙の背景

前回の第33回衆院選は1972年に行われ、その後、田中内閣が政局の混乱を招く中、1974年には退陣を余儀なくされました。特に、1975年からはロッキード事件が浮上し、田中元首相が絡む疑惑がメディアや国民の注視を集めました。新たに首相となった三木武夫は、法務大臣の稲葉修と共に積極的な姿勢で田中氏を追及しましたが、これが自民党内の分裂を促す結果となりました。

三木首相は任期満了に伴う選挙を思い描いていましたが、内部の反発が強まった結果、衆議院解散権を封じられることとなり、遂に選挙を迎えることになりました。これは党内の状況が緊迫していたことの表れでもありました。

選挙制度とデータ

この選挙では、原則通り中選挙区制が採用され、加えて、議席数は511に増加しました。公示日は1976年11月15日、投票日は同年12月5日でした。選挙権は満20歳以上、被選挙権は満25歳以上の日本国民に与えられ、有権者数は77,926,588人でした。

選挙結果と党派別の動向

選挙では自民党が厳しい状況に直面し、結果的に党内の分裂が深まりました。自民党の候補者は公認候補が当選者数で過半数を割り込む事態となり、このことは党の威信に大きな影を落としました。実際には、保守系無所属議員の追加公認によって辛うじて過半数を確保するものの、三木首相は責任を取って辞任、福田赳夫が新しい内閣を組織しました。この選挙では、野党の社会党や公明党が議席を増やし、社会党は議席数を約28に増加。特に、社会党内での幹部の落選が目立ちました。

一方、新自由クラブは支持を獲得し、初めて注目される存在となりました。この党は清新なイメージを有権者にアピールし、特に首都圏で圧勝を収めました。また、共産党は議席を減らし、実質的には前々回の水準に戻る結果となりました。

選挙後の影響

選挙後、国会は第79回国会がスタートし、議長選挙などが行われました。この選挙を経て、与党自民党出身者が衆議院の正副議長を独占する慣行が終わりを迎えました。これは新たな政治の流れを示す重要な変化であり、次の選挙に向けた競争激化が期待されました。

このように、第34回衆議院議員総選挙は日本の政治史において多くの意味を持つ選挙であり、戦後の国会運営や政党間の力関係に少なからぬ影響を与えました。

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