田原和男

田原 和男について

田原和男（たわら かずお）は、1887年4月22日に東京府に生まれ、1955年1月27日に亡くなった日本の官僚及び経済人です。彼は大蔵省の高官や南洋庁の長官として知られています。その活躍は日本の政治や経済に多大な影響を与えました。

学歴と初期のキャリア

田原は東京帝国大学法科大学の英法科を1914年に卒業しました。大学を卒業後、大蔵省に入省し、ここから彼の官僚としてのキャリアが始まります。彼は東京税務監督局の関税部長、臨時議院建築局の書記官や会計課長など、重要な役職を次々と歴任しました。また、銀行局の事務官として、北海道拓殖銀行の監理官も務めました。

政治家としての活動

1925年には京都市助役に任じられ、その後1926年に第1次若槻内閣が成立すると、内閣総理大臣秘書官に就任します。この役職では、内閣の運営に深く関与し、政治の現場での経験を積むことになります。1929年からは拓務書記官、内閣書記官、外務書記官としても活動し、ロンドン海軍軍縮会議では全権委員の随員として重要な使命に従事しました。

南洋庁とその後のキャリア

1931年、田原は拓務省殖産局長に就任し、その後南洋庁長官に転任します。この時期、彼は南洋地域の経済政策や行政について多くの責任を負っていました。南洋庁では、特に戦後の経済復興や開発に際して重要な役割を果たしました。

官僚職を退いた後は弁護士として独立し、さらに千代田毛織株式会社や愛国工業株式会社などの取締役、日本協同証券株式会社の監査役、戦時金融金庫の監事など、多岐にわたって企業の経営や監督にもかかわりました。

家族について

田原和男の私生活では、彼は著名な政治家との結びつきが見られます。妻の父は内閣総理大臣を務めた若槻禮次郎であり、長女の夫は大蔵事務次官や日本銀行総裁を歴任した森永貞一郎です。このように、田原家は政治や経済の中心にいる著名な人物を多数抱える家系でした。

参考資料

田原の経歴については、数多くの文献が残されています。帝国秘密探偵社が発行した『大衆人事録』や、各種の人事興信録など、彼の足跡を知るための貴重な資料です。また、南洋経済研究所が編集した『南洋資料』の中でも詳細な略歴が掲載されています。

田原和男の生涯を通じて、その官僚としての功績や経済活動は今なお多くの人々に評価されています。

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