ロンドン海軍軍縮会議

ロンドン海軍軍縮会議（1930年）

ロンドン海軍軍縮会議は、1930年1月から4月にかけてイギリス・ロンドンで開催された国際的な会議で、主要な海軍国が参加し、補助艦艇の保有量制限を目的としました。この会議はイギリスのラムゼイ・マクドナルド首相の提案によって実現し、結果として各国の海軍力を抑制するための合意が目指されました。

会議の背景

この会議の背景には、1922年に締結されたワシントン海軍軍縮条約がありました。この条約では、巡洋艦以下の艦艇に制限が設定されておらず、各国は条約の枠内で高性能な艦艇の建造に力を入れることができました。しかし、1927年に開催されたジュネーブ海軍軍縮会議では、イギリスの主張する個艦規制とアメリカの比率主義が対立し、合意には至りませんでした。

その後、1929年には英米間の交渉が進展したことで、他国を招待する形でのロンドン海軍軍縮会議が開催される運びとなりました。当時の日本政府は、日露戦争による国債の返済を控えた状態で、軍縮による軍事費削減を望んでおり、他国との協力を模索していました。

ロンドン海軍軍縮条約の内容

1930年4月22日、この会議の成果としてロンドン海軍軍縮条約が調印されました。この条約では、先のワシントン条約を基に、様々な海軍艦艇の制限が規定されました。

戦艦の制限

戦艦については、艦建造中止措置の5年延長と既存艦の数を減らすことが決まり、特定の艦の廃艦が設定されました。しかし、いくつかの艦については練習艦としての保有が認められました。

航空母艦と巡洋艦

航空母艦に関しては、1万トン以下の艦艇も制限の対象に含まれることになりました。また、巡洋艦については、特定の排水量や備砲の基準が定められ、各国の保有量比率も設定されました。これにより、各国に対する制限がより明確になりました。

駆逐艦と潜水艦

駆逐艦の保有については特別な規定が設けられ、日本の大型駆逐艦に対する制限が念頭に置かれていました。潜水艦については、排水量や備砲の規定があり、合計保有量について各国で平等な基準が設けられました。

影響と反響

条約の批准にあたっては、多くの意見が交わされ、特に日本内部では「条約派」と「艦隊派」の対立が生まれました。また、政府が果たせなかった希望量に対する不満が噴出し、統帥権干犯問題が提起されるなど政局も動揺しました。サミット後、日本は軍艦の設計を条約の枠内に収めるために様々な苦労をし、結果的に艦艇の復原性不足で発生したいくつかの事故もありました。

1935年には再度の会議が開催されるものの、日本は翌年1月に脱退することになります。この条約によって、艦艇の種類や特性が国際的に定義されたことは、その後も影響を及ぼしました。

その他の注目点

興味深い点として、調印式で使用された万年筆は、並木製作所製のものであったことや、著名なアーティスト岡本太郎が会議に関連してパリに長期滞在していたことがあります。これにより、ロンドン海軍軍縮会議は日本内外に大きな影響を与え、国際関係の一端を形作ることとなりました。

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