田原坂 (テレビドラマ)

田原坂

『田原坂』は1987年12月30日と31日に日本テレビで放送された年末時代劇スペシャルの第3作であり、西郷隆盛の波乱の生涯を描いています。この作品は、主演に里見浩太朗を起用し、特別出演として萬屋錦之介が参加しています。その圧巻の内容は、合計5時間30分におよぶ大作であり、当時放送された全9作の中でも最も長い作品とされました。

放送経緯

『田原坂』は、前2作の『忠臣蔵』(1985年)および『白虎隊』(1986年)が高視聴率を収めたことを受けて、特に大きな宣伝が施されて放送されました。日本の伝統的な年末特番として、視聴者の期待も高まりました。2023年12月26日から29日間には、BS松竹東急で全8話に再編成して再放送され、古典的な名作としての地位を保っています。

放送された地域

日本テレビ系列での放送において、鹿児島テレビでは特別に同時ネットで前後編とも放送されました。特に後編の12月31日はフジテレビとのクロスネット枠での放送が認められ、西郷隆盛という郷土の英雄をテーマにしたため特例として放送が行われました。その他の地域でも、様々なネットワークによって前後編の放送が行われ、高い関心をもたらしました。

あらすじ

前篇「英雄野に下る」

この章では、薩摩藩藩主・島津斉彬の死を皮切りに、西郷隆盛の波乱を描きます。安政の大獄で奄美大島に流された後、赦免されて薩摩に戻りますが、次々と困難に直面します。島津久光の怒りにより、再度の流罪が決まり、沖永良部島へと流されます。しかし、彼は再び赦免され、倒幕運動や戊辰戦争を通じて明治新政府の中枢に位置づくようになります。こうした波乱の中で、彼は名声を築いていくのです。

後篇「桜島は死せず」

後篇では、士族の教育を目指す私学校の設立から始まります。西南戦争が勃発し、戦乱の中で西郷は故郷で自身の運命を受け入れながら戦い続けます。特に田原坂の戦いで敗れ、最後には城山で切腹する運命に直面し、明治天皇との別れを告げるシーンが印象的です。このように、彼の人生の最期までが描かれます。

スタッフとキャスト

本作品は多くの才能あるスタッフとキャストによって支えられており、制作総指揮を岩淵康郎が担当、脚本は杉山義法が手がけています。出演者も多彩で、西郷隆盛役の里見浩太朗を始めとして、家族や友人役を演じる俳優陣が一堂に揃っています。特に、家族の絆を描くキャストの演技が視聴者に深い感動を与えました。

音楽とその他の要素

音楽は川村栄二が担当し、主題歌の「遥かな轍」は堀内孝雄が歌っています。このメロディは作品の雰囲気を引き立て、とても印象深いものとなりました。

この作品は、撮影や演出の緻密さに加え、物語の強さが胸を打つものとなっています。視聴者に歴史的な価値を伝えるだけでなく、主人公の成長と苦悩をリアルに描いており、今なお多くの人々に親しまれています。

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