田垣内友吉

田垣内友吉の生涯と作品

田垣内友吉は、1894年2月11日、三重県南牟婁郡五郷村（現在の熊野市五郷町）で誕生しました。彼は父、田垣内粂吉のもとで幼少期を過ごし、母けいに見守られながら成長しました。友吉は、日本の近代洋画の流れを受けて活動を行い、多くの素晴らしい作品を生み出した洋画家です。

家族と教育

友吉は1924年に地元の旧家、山東家の長女である光恵と結婚しました。新しい生活を始めた後、彼は1925年に東京へ上京し、洋画家の中川一政に師事することとなります。この師事によって友吉は洋画技法の基礎を学び、さらなる創作活動を始めることができました。

上京後、友吉は中川一政から多くの影響を受けただけでなく、同じく教え子である堀内唯生と出会い、互いに刺激し合う関係を築いていきます。このような人間関係が、友吉の芸術的成長に大きく寄与したことは間違いありません。

作品活動

友吉の初期作品としては、1926年に中川一政から譲り受けた油彩画「夏の橋」を含む二点が挙げられます。この作品は彼のスタイルの基礎を形成し、その後の作品制作において重要な役割を果たしました。彼の作品は、自然の美しさや郷土愛を映し出しており、特に五郷の風景は彼の絵画の主題として多く取り上げられました。

1927年、彼は第五回春陽会展において「五郷桃崎の景」や「初秋の郊外」が入選し、ついに芸術の世界にその名を刻むことになります。さらに、1929年には「春」が第七回春陽会展に選出され、特に洋画家の古賀春江から「田垣内友吉の春は穏健でよい」と評価されました。これは友吉の作品の持つ穏やかさと独自の魅力を示す評価であり、彼が描く作品に対する信頼の表れでもあります。

逝去

しかし、友吉は1931年に肺結核を患い、わずか37歳という短い生涯を閉じることとなります。彼の死は、多くの美術関係者や支持者に衝撃を与え、その後の彼の作品は一層の評価を受けることになります。彼の作品は、現在も熊野市に位置する熊野石蔵美術館にて展示されており、中川一政の作品や民具も収蔵されています。

まとめ

田垣内友吉の生涯は、多くの人々に影響を与える素晴らしい芸術家の物語です。彼が残した作品は、今なお多くの人々に愛され、評価されています。洋画家としての彼の足跡は、三重県の芸術シーンにおいて重要な役割を果たし続けています。

もう一度検索