田大成

田大成（でん たいせい）は、中国を代表するテノール歌手の一人であり、教育者としてもその手腕を発揮しています。四川省出身で、現在は陝西師範大学音楽学部の学部長を務めています。彼の音楽への情熱は、幼少期から培われ、東京芸術大学大学院博士課程を修了し、音楽学博士の学位を取得するに至りました。

音楽家としての歩み

1984年、田は「蓉城の秋」音楽祭で優秀演奏賞を受賞し、その才能を早くから開花させました。1987年には、第一回中国芸術祭に出演し、同年には中国四川青年音楽代表団の一員として来日、広島市や福山市などで友好訪問公演を行うなど、国際的な舞台でも活躍しました。その後、1989年に東京芸術大学へ留学し、本格的な音楽研究を開始しました。

日本での活動も活発で、NHK-FM「土曜リサイタル」やテレビ朝日「題名のない音楽会」などのメディアにも出演しました。1993年には、虫プロダクションの長編アニメ映画「ライヤンツーリーのうた」の主題歌を録音するなど、その歌声は多岐にわたるジャンルで評価されています。

1994年には、第8回日仏声楽コンクールで3位入賞を果たし、1995年にはアサヒビール音楽賞を受賞するなど、国内外でその実力が認められました。1998年から2000年まで東京芸術大学音楽学部客員研究員を務め、三林輝夫、中村浩子といった著名な指導者に師事しました。また、1998年にはフランス・パリへ短期留学し、モラーヌ、クレスパン両氏の指導を受け、さらにイタリアのテノール歌手ヴィットーリオ・テッラノーヴァからも指導を受けるなど、研鑽を積みました。

オペラでの活躍

田は、オペラ歌手としても数々の舞台で活躍しており、「ラ・ボエーム」、「ティレジアスの乳房」、「椿姫」、「アイーダ」、「カルメン」など、主要なオペラ作品に出演しています。特に「カルメン」でのドン・ホセ役は、その表現力が高く評価されています。

国際交流への貢献

2003年からは、松戸市による「まつど国際文化大使」として日中友好親善交流の推進に協力しており、文化交流を通じて両国の友好関係の発展に貢献しています。また、2005年9月には陝西師範大学音楽学院の学院長及び声楽科教授に就任し、後進の育成にも力を入れています。

受賞歴

1984年 - 蓉城の秋音楽祭優秀演奏賞
1994年 - 第8回日仏声楽コンクール3位
* 1995年 - アサヒビール音楽賞

田大成は、その卓越した歌唱力と国際的な活動を通じて、音楽の世界に大きな足跡を残しています。彼の情熱は、これからも多くの人々に感動と影響を与え続けることでしょう。

もう一度検索