田子雅

田子雅は、1988年7月15日に埼玉県さいたま市で生まれた、日本の元陸上競技選手である。専門種目はハードル競走、特に400メートルハードルであった。

幼少期から中学3年生までクラシック・バレエに親しみ、陸上競技は中学に入ってから友人の誘いで始めた。中学時代は、主に短距離やハードルに取り組んだが、全日本中学校選手権への出場は逃し、県大会での入賞が最高成績であった。埼玉県立久喜高等学校へ進学してからは、より長い距離のロングスプリントに転向し、2年生の秋から400メートルハードルに本格的に取り組むようになった。この転向が功を奏し、3年生時には全国高校総体（インターハイ）の400メートルハードルで見事優勝を果たした。

中央大学に進学後も着実に競技力を向上させた。1年次には関東インカレと日本インカレで入賞。2年次に関東インカレの400メートルハードルで初優勝を飾る。3年次には、同種目で関東インカレを2連覇するとともに、日本インカレでも初優勝を果たした。さらに、同年には香港で開催された東アジア大会に出場し、金メダルを獲得するという国際的な成功も収めた。

大学4年次には、中央大学陸上部の女子キャプテンとしてチームを牽引した。このシーズンに向けた冬季練習では、それまで課題としていたウエイトトレーニングやハードリング技術の向上に集中的に取り組んだ。その努力は実を結び、5月の国際グランプリ大阪大会400メートルハードルにおいて、当時の自己記録（57秒35）を大幅に塗り替える55秒99をマークした。このタイムは、当時の日本歴代4位、日本学生歴代2位という記録であり、最内の1レーンからのスタートながら、日本人選手としては4人目の55秒台でのフィニッシュ、全体でも日本人トップの3位に入った。このレースでは、国内トップ選手の一人であった久保倉里美選手に4年ぶりに勝利を収めている。続く6月の日本選手権では久保倉選手に次ぐ2位となり、同年11月の広州アジア大会の日本代表に選出された。アジア大会本番では、7位に入賞し、国際舞台でも実力を示した。大学4年間で、田子雅は400メートルハードルにおいて関東インカレ3連覇、日本インカレ2連覇を達成。さらに、日本学生個人選手権も制するなど、学生主要大会の全てのタイトルを獲得した。また、4×400メートルリレーでも、大学4年次に関東インカレと日本インカレでの優勝に貢献している。

中央大学卒業後も競技を継続したが、教員資格取得を目指し、科目等履修生として再び中央大学で学んだ。大学での勉強と並行して、授業がない日には、主に小中学生を対象とした陸上クラブチーム「J.VIC」で指導サポートを行いながら競技に励んだ。2014年からはニシ・スポーツに所属して選手活動を続けたが、2016年9月末をもって現役選手としてのキャリアに終止符を打った。

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