田川豊

田川豊の生涯と業績

田川豊（たがわ ゆたか、1918年11月30日 - 1981年8月22日）は、広島県出身のプロ野球選手および審判員です。主に投手や外野手として活躍し、最終的にはプロ野球審判員としても名を馳せました。彼の人生は、野球と共に歩んだ波乱の道のりでした。

学生時代の躍動

田川は呉港中学校時代に捕手として全国中等学校優勝野球大会に出場し、2学年上の藤村富美男とともに全国制覇を果たしました。彼は1935年に内野手へ転向し、その後投手としても挑戦を続けました。1937年の夏には田川がエースを務めたチームが、準々決勝で熊本工業に敗れるも、合計5回甲子園大会に出場する経験を重ねます。

法政大学での栄光

法政大学に進学したあとは、1941年秋季連盟戦で首位打者に輝いたことで注目を集め、大学チームの優勝に貢献しました。しかし、当時は戦争の影響から正規の野球活動が制限され、田川は第8飛行師団に中尉として従軍しました。

プロキャリアの幕開け

戦後、田川は簡素なチーム、神戸川崎重工業でプレーした後、1946年にグレートリングに入団しました。彼は新人ながらもチームにおける重要なポジションを確保し、打率.341を記録。これは新人選手として歴代最高の打率であり、未だにこの数字を上回る選手は出ていません。2年目からは右翼手として活躍し続けました。

移籍とその後のキャリア

1948年には大陽ロビンスに移籍し、1番打者としてプレー。1949年に近鉄パールスが設立される際には現役選手として参加しました。彼は引き続きシーズン終了後に大映スターズに移籍し、左翼手として活動の場を広げましたが、1954年限りで現役を引退します。

審判員としての田川豊

引退後の1955年、田川はパシフィック・リーグの関西審判部に加わり、本職として審判業を開始しました。特に「デンさん」と親しまれた彼は、威勢良く的確なジャッジで知られました。また、彼の酒好きな性格も相まって、審判の中でも個性的な存在となりました。特に面白いエピソードとして、試合の合間に同僚の選手と飲みすぎてしまった場面などが挙げられます。

記録に残る業績

田川はジャイアンツのV9時代に、優勝決定試合では8回中8回の出場を果たし、また1971年には日本プロ野球最後の放棄試合にも関与しました。彼の背番号12は1977年から1979年まで使用され、その後もパ・リーグにおいて重要な審判を担っていました。

最後の時

1981年8月22日、田川は心筋梗塞により62歳で他界しました。彼は選手としても審判としてもそれぞれの分野で輝かしい業績を残した人物となりました。田川豊の野球界への貢献は、今後も語り継がれることでしょう。

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