田村克也

田村克也：兵庫県三田市長

1966年生まれの田村克也氏は、兵庫県三田市市長を務める政治家です。神戸市出身で、関西大学法学部政治学科卒業後、第一勧業銀行（現みずほ銀行）に就職しました。2001年に三田市に自宅を購入し、2008年に移住。銀行退職後は、保育事業支援の会社に勤務していました。

市長選出と公約撤回

2023年に行われた三田市長選挙において、田村氏は初当選を果たしました。この選挙は、三田市民病院と済生会兵庫県病院の統合計画に対する賛否が大きな争点でした。市民団体が候補者を公募したことにより、同計画に反対する立場を明確にした田村氏は、立候補を表明。知名度で劣る状況の中、元明石市長の泉房穂氏からの支援を受け、選挙戦を戦い抜きました。

選挙戦では、4人の候補者が競い合いました。現職の森哲男氏（自民党、立憲民主党、公明党、国民民主党推薦、神戸市長支援）や、日本共産党推薦の元市議らとの接戦となりました。開票の結果、田村氏は現職の森氏を僅差で上回り、当選。神戸新聞の出口調査でも、激戦が予想されていました。長谷川美樹氏（日本共産党推薦）が市民病院の現状維持を訴えたことで、現職への批判票が分散したことも、田村氏の勝利に影響を与えたと考えられます。

しかし、当選後、大きな波紋を呼びました。選挙期間中は、市民病院の再編統合計画の白紙撤回を公約に掲げていた田村氏でしたが、就任後の11月24日、市議会本会議において、計画推進に転じる意向を表明。事実上、公約を撤回した形となりました。この政策転換について、市議会は市民を混乱させたとして、田村氏に対する問責決議案を可決。選挙公約の解釈変更を問題視し、選挙制度そのものの根幹に関わる行為だと指摘しました。その後、2024年3月28日には不信任決議案の採決が行われましたが、可決に必要な議決数に届かず、否決されました。

経歴と政策

田村氏の経歴は、銀行員から保育事業支援、そして政治家へと転身したユニークなものです。選挙戦では、地元住民との繋がりを重視し、地域の声を政策に反映させる姿勢を示しました。しかし、市民病院統合計画に関する公約撤回は、政治家としての信頼性に大きな傷をつけました。今後、その対応や、市政運営の透明性、市民とのコミュニケーションが問われることになります。

今後の課題

問責決議を受けたものの、不信任決議案が否決されたことで、田村市長は職務を継続することとなりました。しかし、市民からの信頼回復は容易ではありません。今後の市政運営においては、市民との対話を通して、政策決定のプロセスや、その根拠を明確にすることが重要となります。また、病院統合計画についても、市民の理解を得ながら、進めていく必要があります。

田村市長を取り巻く状況は依然として厳しいと言えるでしょう。しかし、この経験を活かし、市民の期待に応えるべく、真摯な市政運営が求められています。今後の動向に注目が集まります。

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