田村勤

田村 勤のプロフィール

田村勤（たむら つとむ、1965年8月18日生まれ）は、静岡県榛原郡川根町に生まれ育った元プロ野球選手で、投手として名を馳せた。彼は主に阪神タイガースおよびオリックス・ブルーウェーブに所属し、キャリアを全うした。

経歴

田村は島田高等学校を卒業後、駒澤大学に進学。大学時代は東都大学野球リーグで通算29試合に登板し、3勝3敗という成績を残した。球速は優れていたものの、制球力に難があり、今後の挑戦を暗示するものであった。大学時代には、河野博文や横田真之、そして後に名選手となる新谷博や野村謙二郎といった選手と同じチームでプレーした。

卒業後、田村は本田技研に入社。社会人野球では1年目にサイドスローに転向し、以前の制球難を克服。1988年には都市対抗野球に登録されたが、出場機会はなかった。9089年には初めて都市対抗野球に登板し、1990年には補強選手として出場。都市対抗野球では良好なパフォーマンスを示し、その年のプロ野球ドラフトで阪神タイガースから4位指名を受け、彼のプロ選手としてのキャリアがスタートすることとなった。

プロとしての活動の中で、彼は常に背番号36を背負った。プロ1年目から中継ぎと抑えとして活躍し、特に1992年は、球速が146km/hに達するなどの成長を見せ、守護神としての役割を果たし、前半戦だけで5勝1敗14セーブ、防御率1.10という素晴らしい数字を残した。しかし、同年の途中から怪我に悩まされ、一軍登録を抹消される苦しい時期もあった。

1993年には故障から復帰し、22セーブを挙げ、当時の球団記録である10連続セーブを達成。こうした活躍は彼にとっての明るい兆しとなったが、その後も度重なる怪我が影を落とした。1994年には再度故障に見舞われ、一軍登板ができず、1995年にはひとつも登板することなくシーズンが終了した。

その後、1996年と1997年に再びリリーフとして活躍を見せるが、1998年には再び肩の故障が彼を苦しめた。1999年には選手としての役割を見出し、気迫で投球を続けたものの、以前の球威を取り戻すことは難しかった。2000年には一軍登板がなかったものの、翌年オフにはオリックス・ブルーウェーブに移籍。2001年には39試合に登板するが、好成績には結びつかなかった。2002年の最終戦ではプロ生活で初めて先発マウンドに立ち、最後の試合を飾った。

引退後の活動

彼は引退後、大阪経済大学でコーチとしてのキャリアをスタート。その後、2005年には接骨院『田村整骨院』を開業し、治療の傍ら、少年野球の指導にも携わった。2014年には指導者資格を回復し、石川県の高校野球部の非常勤コーチに就任した。

2022年には接骨院を閉じて静岡に帰郷し、現在はJAおおいがわに勤務しながら、地域の高校で投手コーチを務めている。現役時代の彼は「たむじい」や「ウナギイヌ」と呼ばれることが多く、自宅から甲子園球場まで自転車で通勤していたという独特な一面も持っていた。

多くの人々に影響を与え続ける田村勤のストーリーは、アスリートの人生の一つの形を示している。

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