田村吉康

田村吉康（たむら よしやす）は、1977年生まれ、群馬県出身の漫画家・画家です。現在はイタリアを拠点に活動しています。彼の芸術活動は、絵画と漫画の二つの領域にまたがり、その両方で国際的な評価を得ています。

経歴

1997年、「月刊少年ジャンプオリジナル」3月増刊にて漫画家としてデビューしました。その後、2003年から2004年にかけて「月刊少年ジャンプ」で『筆神』を連載。漫画家としてのキャリアを積み重ねました。

絵画においては、2006年に大丸・東京店で個展を開催したのを皮切りに、世界各地で作品を発表しています。特に、2011年にはメキシコシティでの「ZONA MACO. MEXICO ARTE CONTEMPORANEO」や、スイス・バーゼルでの「THE VOLTA SHOW VOLTA 7」など、国際的なアートフェアへの出展を重ねました。また、同年には村上隆が主催する「日本画ZERO第2部」にも出品し、現代アートの文脈でも注目を集めました。

2012年には、ニューヨークの「THE ARMORY SHOW」に出品するなど、活動の幅をさらに広げます。また、ポーランドのアダム・ミツキェビチ大学では特別講義を行い、自身の芸術論を展開。さらに、「Third International Conference on the IMAGE」では論文発表と討論を行うなど、アカデミックな分野でも活動を展開しました。

2013年には、イタリアのフィレンツェ大学で特別講義を行い、同年の「ルッカコミックス&ゲームズ」では個展、カンファレンス、ライブドローイングを実施。2014年には、活動拠点をイタリアに移し、国際コミックススクール・フィレンツェ校で特別講師を務めました。同年には、メディチ・リッカルディ宮殿で個展とライブドローイングを開催し、ファッションブランド「McQ Alexander McQueen」とのコラボレーションで、秋冬モデルにドローイングを提供するなど、異分野との協業にも積極的に取り組んでいます。

2015年にはフランスに転居し、「アングレーム国際漫画祭」でワークショップとライブドローイングを実施。その後、オランダや日本でも活動を展開しました。

2016年、ウクライナ人写真家 Marfa Vasilieva とのコラボレーション「TAKAMAGAHARA PROJECT」を開始。さらに、モロッコでは日本人漫画家として初めてイスラム圏でのワークショップ、ライブドローイング、カンファレンスを行うなど、国際的な活動を精力的に行っています。

2017年にはオランダに転居し、新宿高島屋にて個展を開催。2018年には再びイタリアへ拠点を移し、フランスでは漫画『DEVIL's RELICS』の作画を担当し出版を開始するなど、漫画家としての活動も継続しています。

作品リスト

• - 筆神：

- 『月刊少年ジャンプ極上』2001年4月増刊掲載の読切作品。短編集「筆神 田村吉康短編集」に収録。
- 『月刊少年ジャンプ』2003年8月号から2004年4月号まで連載された作品。全2巻。

• - DEVIL's RELICS：2018年より連載中（作画担当）。

書誌情報

• - 筆神 田村吉康短編集（2001年8月1日、集英社）
• - 筆神（集英社）全2巻（2004年1月5日、2004年6月4日）
• - DEVIL's RELICS（2018年10月31日）

学習マンガ

• - 日本の歴史 まんが人物伝 戦国武将編（学研教育出版）：カバーイラスト、毛利元就、真田幸村担当。
• - ビジュアル戦国英雄伝シリーズ（学研教育出版）：全5巻の漫画部分担当。

挿絵等

• - スクール・バッグいっぱいの運命（2009年、講談社YA!ENTERTAINMENT）：表紙・挿絵担当。

人物

趣味は数学、音楽、自転車など多岐にわたります。特に音楽ではトランペットを演奏し、吹奏楽団に所属していた経験もあります。自転車については、イタリアの工房まで出向き自作するほどの情熱を持っています。

師匠（アシスタント歴）

• - 浅美裕子：1997年頃から『WILD HALF』の臨時アシスタントを経験。作品中に「田中吉康」というキャラクターが登場。
• - 片倉政憲：2000年頃から『GO DA GUN』のアシスタントを経験。

田村吉康は、漫画家・画家としての活動に加え、教育活動や異分野とのコラボレーションにも積極的に取り組む、多才なアーティストです。彼の国際的な活動は、今後も注目を集めるでしょう。

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