田村恒夫

田村恒夫（1926年1月9日 - 2009年9月18日）は、徳島県徳島市国府町出身の人形師であり、阿波木偶人形の製作・保存に多大な貢献をしました。阿波木偶制作保存会の会長、阿波木偶作家協会の名誉会長を歴任し、阿波木偶人形の魅力を広く伝えました。

経歴

徳島市国府町で生まれた田村恒夫は、幼い頃から人形の世界に魅せられ、小松正利、久米惣七、山口巳鶴といった名だたる人形師に師事し、人形製作の技術を磨きました。後に「人形恒」を称し、独自の作風を確立していきます。

1979年（昭和54年）には、阿波木偶人形の保存と振興を目的とした阿波木偶制作保存会を結成し、会長に就任しました。保存会の活動を通じて、後継者の育成や技術の伝承に尽力し、阿波木偶人形の存続に大きく貢献しました。

1988年（昭和63年）には、自宅の制作工房をこくふ街角博物館「阿波木偶館」として一般公開しました。阿波木偶館では、田村恒夫の作品の展示をはじめ、阿波木偶人形の歴史や文化を紹介し、多くの人々に阿波木偶人形の魅力を伝えました。

2001年（平成13年）には、阿波木偶作家協会の副会長に就任し、その後、名誉会長に就任しました。作家協会では、阿波木偶人形の製作技術の向上や、新しい表現方法の探求を推進し、阿波木偶人形のさらなる発展に貢献しました。

2009年（平成21年）9月18日、肺がんのため徳島市内の病院で逝去されました。享年83歳でした。

受賞歴

田村恒夫は、その長年の功績が認められ、数々の賞を受賞しています。

2002年 - 卓越技能者県知事賞（阿波の名工）
2003年 - 財団法人地域伝統芸能活用センター 伝統芸能大賞
2007年 - 卓越技能者 厚生労働大臣賞（現代の名工）
2008年 - 徳島県文化賞
2009年 - 吉川英治文学賞文化賞

これらの受賞歴は、田村恒夫の卓越した技術と、阿波木偶人形の保存・振興に対する貢献を証明するものです。

関連事項

天狗久
* 徳島市天狗久資料館

田村恒夫は、阿波木偶人形の世界において、なくてはならない存在でした。その情熱と才能は、阿波木偶人形の未来を明るく照らし続けています。

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