田沢湖マラソン

田沢湖マラソン

秋田県仙北市に抱かれる美しい田沢湖。この神秘的な湖のほとりで毎年秋に開催されるのが「田沢湖マラソン」です。湖畔の豊かな自然を満喫しながら走る魅力的な大会として、全国から多くのランナーが集まります。

歴史と大会の特色

本大会は1986年（昭和61年）に第1回大会が行われ、以来長い歴史を刻んできました。新型コロナウイルスの影響を受けた2020年・2021年の中止を経て、2022年に再開、2023年には第36回を数えました。しかし、2024年はコース区間の一部で交通規制が続いているため、残念ながら開催中止が決まっています。田沢湖マラソンは、風光明媚な湖畔コースであると同時に、起伏に富んだ厳しいコースとしても知られています。特にフルマラソンコースでは、最高地点と最低地点の標高差が約92メートルにも達し、ランナーの挑戦意欲をかき立てます。過去には、2013年大会で過去最多の6千人以上がエントリーし、オリンピックメダリストであるエリック・ワイナイナ氏がゲスト参加した記録もあります。

競技種目

大会では、フルマラソンを筆頭に、20km、10km、そして家族や友人との参加にぴったりの3kmペアマラソンの計4種目が開催されます。それぞれに参加資格、受け入れ定員、参加料、そして制限時間が設定されており、幅広いランナーが自身のレベルに合わせて参加可能です。フルマラソンの制限時間は6時間、20kmは3時間、10kmは2時間、3kmペアは40分です。スタート時間については、以前は全種目10時一斉でしたが、フルマラソンの制限時間が第34回大会より延長されたことに伴い、フルマラソンのみ9時30分開始に変更され、他の種目は10時スタートとなりました。

コース設定

フルマラソン、20km、3kmペアの種目は、田沢湖東岸の田沢湖郷土史料館付近がスタートおよびゴール地点となります。フルマラソンコースは、スタート後一度湖畔を離れて国道341号を北上し、折り返してから田沢湖駅方面を経由して再び湖畔に戻り、そこから湖を反時計回りに一周するという、距離とアップダウンを伴う複雑な設定です。フルおよび20kmコースは日本陸上競技連盟の公認を受けていますが、フルマラソンは2013年に土石流災害でコース変更された影響で一時公認を外れた時期がありました（2016年より再公認）。フルマラソンコースの最低標高は約204m、最高標高は約296mです。20kmコースは東岸スタートで湖を反時計回りに一周し、高低差は約48.5mです。10kmコースはたつこ像近くの西岸がスタート地点で、そこから田沢湖南岸を東へ向かう約半周ルートです。3kmペアは東岸スタートから南へ向かい、県民の森付近で折り返す往復コースとなっています。

大会運営と参加者サポート

大会当日は、円滑な運営のためコースとなる周辺道路で交通規制が実施され、時間帯により通行止めとなる区間があります。参加者の利便を図るため、田沢湖駅や乳頭温泉郷方面から会場までのシャトルバスが運行されます。ランナー向けサービスとしては、無料で利用できる手荷物預かり所が設置されています。かつては地元の宿泊施設による入浴サービスも利用可能でしたが、近年は手荷物預かりのみとなっています。特にスタート地点とゴール地点が異なる10kmの参加者に対しては、たつこ像付近のスタート地点までバスや遊覧船を使った選手輸送が行われます。また、スタート地点で預けた手荷物はトラックで運搬され、ゴール地点近くで受け取ることができるサービスも提供されており、ランナーは身軽にレースに集中できます。

主催・主管

本大会は田沢湖マラソン実行委員会が主催し、秋田陸上競技協会、秋田魁新報社が共催しています。仙北市や大仙仙北陸上競技協会、仙北市スポーツ協会といった地元のスポーツ関連団体などが主管・運営協力を担い、大会を支えています。

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