田浦正人

田浦正人

田浦正人（たうら まさと）は、1961年12月2日生まれ、長崎県出身の元陸上自衛官です。防衛大学校を卒業後、機甲科の幹部としてキャリアを重ね、最終的には北部方面総監という要職にまで至りました。彼の自衛官としての歩みは、単なる昇進だけでなく、国内外の様々な任務における経験に彩られています。

キャリアのハイライト

田浦氏は、防衛大学校卒業後、機甲科の道に進み、戦車部隊の指揮官として経験を積みました。特に、第3戦車大隊長や第72戦車連隊長といった役職を歴任し、機甲部隊の運用に関する深い知識と経験を有しています。

また、アメリカ陸軍機甲学校と海兵隊指揮幕僚課程を修了しており、国際的な視点も持ち合わせています。この経験は、後のイラク復興支援や福島第一原発事故対応において、大いに役立ったと考えられます。

2004年には、第2次イラク復興業務支援隊長として、イラクに派遣されました。この任務では、ロケット弾が降り注ぐ過酷な状況下で、復興支援活動を指揮しました。この時の経験は、彼の著書『イラク派遣隊長が語る　：ロケット弾が降り注ぐ復興支援　　戦闘組織に学ぶ』にも詳しく語られています。

2011年には、福島第一原子力発電所事故発生時、現地調整所長として、事故対応に当たりました。この未曾有の危機において、自衛隊の活動を調整し、事態の収拾に尽力しました。この経験は、著書『よく考えて、前へ！　：方面隊運用と福島原発対処　　戦闘組織に学ぶ』にまとめられています。

2017年には、第37代北部方面総監に就任。北部方面隊のトップとして、北海道の防衛を担いました。彼の要望事項は「よく考えて、前へ！」であり、これは、彼のリーダーシップ哲学を表しています。

退官後と著作活動

2019年に退官後、株式会社神戸製鋼所の顧問に就任。企業経営にも関わるようになりました。また、自衛隊での経験や学びを活かし、執筆活動も行っています。

著作には、上記に挙げた2冊の他、『生粋の戦車乗り（タンキスト）が切り開いた未来　：１６ＭＣＶ　　戦闘組織に学ぶ』があります。これらの書籍では、自衛隊の組織運営、危機管理、リーダーシップなどについて、自身の経験を踏まえて解説しています。

メディア出演

田浦氏は、ドキュメンタリー番組にも出演し、自衛隊の活動やその内情について語っています。

NHKスペシャル 平成史スクープドキュメント 第7回 自衛隊 変貌の30年 ～幹部たちの告白～（2019年4月20日、NHK）
BS1スペシャル「自衛隊が体験した“軍事のリアル”～密着世界最大級の軍事演習場」（2020年3月28日、NHK BS1）
* NNNドキュメント「１Ｆリアル　　あの日、福島第一原発は・・・」（2022年1月9日24:55、日本テレビ）

これらの番組出演を通じて、自衛隊の活動や災害派遣、そして組織運営の難しさなどを広く社会に伝えました。

まとめ

田浦正人氏は、陸上自衛官として、戦車部隊の指揮官、イラク復興支援隊長、福島第一原発事故対応調整所長、そして北部方面総監といった要職を歴任し、様々な経験を積みました。これらの経験から得た知見を、著作やメディアを通じて発信し続けており、組織運営や危機管理に関する貴重な情報を提供しています。彼のキャリアは、日本の安全保障にとって重要な貢献をしたと言えるでしょう。

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