田畑忍

田畑 忍（たばた しのぶ）について

田畑忍（たばた しのぶ、1902年1月22日 - 1994年3月14日）は、日本の法学者であり、特に憲法に関する研究で知られています。彼は同志社大学の名誉教授として多大な影響を与え、法学界での権威としての地位を確立しました。

生い立ちと教育

田畑は滋賀県甲賀郡石部町に生まれました。少年時代から様々な教えに触れ、特に1916年に同志社中学に編入し、山室軍平や賀川豊彦、内村鑑三といった著名な説教者の講演に影響を受けました。また、吉野作造の科外講演も彼に強い影響を与え、その後の学問の道に進む一因となりました。

1920年には同志社大学予科に入学しますが、健康上の理由で2年間の休学を余儀なくされました。1927年に法学部の政治学科を卒業後、大学助手としてキャリアをスタートさせ、1933年には助教授に昇進しました。在学中には中島重に師事し、後に佐々木惣一のもとで学びました。

学生時代の経験

田畑は1937年に同志社大学の法学部内で発生した政治的対立に巻き込まれ、一時的に大学を離れましたが、翌年に復職しました。1946年には学長に就任し、1952年には再度学長に就任します。彼の学長時代には、湯浅八郎前総長が発表した学内での政治活動禁止の公示を撤回しました。

憲法研究への貢献

1962年、田畑は憲法研究所を設立し、その機関誌『永世中立』も創刊しました。彼は憲法学の第一人者としての地位を築き、憲法会議に参加し、特に土井たか子元衆議院議長の師としても著名です。土井は、田畑の講演「平和主義と憲法九条」に感銘を受けて、同志社大学に編入しました。

また、田畑は直言するスタイルの学者であり、大学長の在任中には関係者との間にしばしば衝突がありました。そのため、当時の大塚節治総長は彼の調停に苦労しました。

著作活動

田畑は多くの著書を持ち、戦前から戦後にかけて数多くの論文や書籍を書きました。代表的な著書には『憲法学の基礎理論』や『戦争と平和の政治学』などがあります。これらの著作では、日本の憲法の解釈や政治に関する問題について深く考察されており、法学の発展に寄与しました。

後進の指導

彼の門下には上田勝美や土井たか子をはじめとする多くの学生がいます。田畑は学生たちに平和主義や憲法の重要性を説き、将来の社会において求められる人材育成に尽力しました。

結論

田畑忍の業績は、法律と政治における深い理解を示すものです。彼の生涯は、憲法学の発展において重要な役割を果たしたことを証明しています。1994年に没した今でも、その著作や思想は法学界において引用され続けています。

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