田端義夫

田端義夫について

田端義夫（たばた よしお）は、日本のシンガーソングライターとして活躍した歌手であり、ギタリストでもあります。1919年1月1日に三重県松阪市で生まれ、本名は田畑 義夫として知られています。彼の芸能人生は、第二次世界大戦前から始まり、21世紀初頭にかけて続いた長いものでした。愛称である「バタヤン」として親しまれた彼は、特徴的なエレキギターを持ち、「オーッス！」という元気な挨拶がトレードマークの一つです。

経歴

田端は幼少期に厳しい状況を経験しました。3歳で父を亡くした後、大阪へ移り住むことになります。幼少の頃は経済的に困窮し、栄養失調を抱える中で育ちました。13歳で働き始めた彼は、そこでの経験が後の音楽活動に影響を与えました。特に、名古屋での丁稚奉公中にディック・ミネのステージを見て感銘を受け、自ら音の出ないギターを作って歌い始めるようになりました。

彼の音楽キャリアは昭和13年（1938年）、アマチュア歌謡コンクールでの優勝により始まります。以降、ポリドールでデビューし、「伊豆の故郷」をはじめとするさまざまなヒット曲を生み出しました。彼の音楽は、戦争中の慰問活動を通じて広まり、戦後もとの人気を保持しました。累計180万枚を売り上げた「かえり船」や、さまざまな名曲を生み出すことで、日本の音楽シーンにおいて確固たる地位を築きました。

映画とテレビ

田端は数多くの映画にも出演しており、1940年代から1960年代にかけて、さまざまな作品でその存在感を示しました。喜劇映画を中心に、「淑女とサーカス」や「肉体の門」など多くの作品に出演しています。また、音楽番組やCMにも参加し、その人気を不動のものとしました。「NHK紅白歌合戦」には1963年に初出演し、その後も精力的に新曲を発表し続けました。

歌手活動の継続

田端は70歳を過ぎてもなお、現役として音楽活動を続けました。「新曲を出し続けることが、現役歌手の証し」という信念のもと、数多の名曲をリリースしました。1995年には日本歌手協会の会長に就任し、2001年には新曲の「旅の終わりに聞く歌は」を発表しました。そして、2009年には記念アルバムを出し、90歳の誕生日を祝うとともに、その健在ぶりをアピールしました。

最期の時

田端は2013年4月25日に94歳で亡くなりました。その死を悼む多くのファンや仲間からの追悼の言葉が寄せられました。生前にレコーディングした楽曲は約1200曲に達し、音楽界への貢献は計り知れません。その業績により、没後には日本作詩大賞や日本レコード大賞特別功労賞が贈られました。

代表曲

田端義夫の代表曲には、「島の船唄」、「大利根月夜」、「里恋峠」、「かえり船」など、多数の名曲があります。これらの楽曲は、時代を超えて多くの人々に愛されています。

田端義夫は、彼の音楽と共に生きた多くの人々に影響を与えた偉大なアーティストでした。彼の生涯と作品は、今なお多くのファンに語り継がれています。

もう一度検索