田老野球場

田老野球場（キット、サクラサク野球場）について

概要

田老野球場は、岩手県宮古市田老に位置する野球場です。1982年に開場しましたが、2011年の東日本大震災によって甚大な被害を受けました。旧球場は津波により全壊し、コンクリートのベンチのみが残るという状況でした。

田老地区は過去にも明治三陸地震、昭和三陸地震と津波の被害を受けてきた地域です。この教訓を踏まえ、新球場は安全性を考慮し、防潮堤の内側に移設されました。総事業費は約7億8600万円にのぼり、その費用の一部には、日刊スポーツ新聞社や工藤公康氏、ゴーゴーカレーによる「東日本大震災復興支援プロジェクト」からの寄付金が充てられました。

命名権はネスレ日本が取得しており、同社のチョコレートブランド「キットカット」にちなんで、「キット、サクラサク野球場」という愛称で呼ばれています。

再開と地域との連携

再建にあたっては、ネスレ日本が展開していた復興支援キャンペーン「キット、ずっとプロジェクト」と連携しました。2014年11月には、三陸鉄道の職員と沿線住民が参加する地域密着型草野球チーム「三陸鉄道キットDreams」が設立され、この球場をホームグラウンドとして活動しています。

2016年4月23日には、球場の再開を記念した復旧祭が開催されました。式典には、元プロレスラーの天龍源一郎氏、漫画家のゆでたまご嶋田隆司氏、茨城ゴールデンゴールズの選手兼監督の片岡安祐美氏が出席し、盛大に執り行われました。また、読売ジャイアンツOBの篠塚和典氏、吉村禎章氏、平岡政樹氏らが参加するイベントや、たけし軍団対キットDreamsのエキシビジョンマッチも行われ、多くの人々が再開を祝いました。

施設概要

• - グラウンド面積: 10,464平方メートル
• - 両翼: 92メートル
• - 中堅: 120メートル
• - 内野: 土
• - 外野: 土
• - 収容人員: 約1,000人
• - 照明設備: LEDタイプ4基

球場には、バックネット、ダグアウト、ベンチ、シャワー、更衣室、簡易電光掲示板が備えられています。客席シートにはキットカットのラッピング広告が施され、球場壁面にはゆでたまご氏の代表作「キン肉マン」のキャラクターであるバッファローマンが描かれています。バッファローマンは、キットDreamsのマスコットキャラクターとしても親しまれています。

アクセス

• - 三陸鉄道リアス線新田老駅から徒歩5分
• - 三陸沿岸道路田老真崎海岸インターチェンジから車で5分

まとめ

田老野球場は、震災からの復興の象徴として、地域住民の交流拠点としての役割を担っています。「キット、サクラサク野球場」という愛称とともに、多くの人々に愛され、利用されています。地域密着型の野球チーム「三陸鉄道キットDreams」の活動拠点として、今後も地域スポーツの発展に貢献していくことが期待されます。

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