田辺勝正

田辺勝正（たなべ かつまさ）

概要

田辺勝正は、1892年7月15日に愛媛県で生まれ、1973年12月29日に生涯を閉じた日本の農学者、官僚です。北海道拓殖短期大学の初代学長を務め、同大学の名誉学長としても知られています。また、農林省では農政局農地部長などを歴任し、日本の農業政策に深く関わりました。

生涯

1920年に北海道帝国大学農学部を卒業後、農商務省に入省し、小作官としてキャリアをスタートさせました。その後、農林省で農政局農地部長や農地局管理部長などの要職を歴任し、戦後の農地改革にも携わりました。

1950年に農林省を退官後、財団法人農政調査会副会長を務め、1951年には東京大学経済学部、1952年には東京教育大学農学部で講師として教鞭を執りました。1955年からは拓殖大学経済学部教授となり、農業政策論を担当しました。1966年には北海道拓殖短期大学の学長に就任しましたが、1968年に退任。その後は拓殖大学大学院経済学研究科客員教授として後進の育成に尽力しました。

1939年には、九州帝国大学より農学博士の学位を取得しました。学位論文の題は「戦後欧洲に於ける土地制度改革史論」であり、彼の土地制度研究への強い関心が伺えます。

1973年、拓殖大学在職中に逝去しましたが、1974年には拓殖大学名誉教授および北海道拓殖短期大学名誉学長の称号が贈られました。

業績

田辺勝正は、農学者、官僚、教育者として多岐にわたる業績を残しました。特に、土地制度や農業政策に関する研究は高く評価されており、多くの著書や論文を発表しました。その研究は、日本の農業政策の発展に大きく貢献しました。

主な著書

『東歐諸國に於ける農制改革』（大日本農會事務所、1924年）
『土地制度研究』（松山房、1938年初版・1942年増補改訂版）
『日本小作料論』（巌松堂書店、1940年）
『現代食糧政策史』（日本週報社、1948年）
『ソ連の土地制度と社会主義農業』（理想社、1956年）
『現代農地制度論 : 農地制度の混迷と対策』（御茶の水書房、1967年）

参考文献

* 『海外事情　1974年4月号』（拓殖大学海外事情研究所編集・発行、1974年）

まとめ

田辺勝正は、日本の農業分野において重要な役割を果たした人物です。農学者、官僚、教育者としての多面的な活動を通じて、日本の農業政策の発展に大きく貢献しました。彼の研究と業績は、後世にも大きな影響を与え続けています。

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