田部長右衛門 (23代)

田部長右衛門（23代）

田部長右衛門（たなべ ちょうえもん、1906年3月25日 - 1979年9月15日）は、日本の実業家、政治家であり、衆議院議員、島根県知事を務めました。奥出雲地方の山林大地主であり、「たたら御三家」の一つである田部家の第23代当主です。本名は朋之、号は松露亭。

生涯

島根県飯石郡吉田村（現・雲南市）で、22代田部長右衛門の次男として生まれました。松江中学校、旧制新潟高等学校を経て、京都帝国大学経済学部を卒業。1931年に秦壮右衛門の長女喬子と結婚しました。

実業家としては、1940年に松乃舎病院（現・島根県立中央病院）を設立し、地域医療の発展に貢献。また、松陽新報社（現・山陰中央新報社）の社長や島根新聞社の取締役社長などを歴任しました。日新林業株式会社を創立し、日新グループの総帥として後進の指導にもあたりました。

政治家としては、1942年に衆議院議員に初当選し、農林委員や大蔵委員を務めました。1959年には島根県知事に就任し、3期12年を務めました。知事在任中は、島根県開発公社設立や島根県社会福祉事業団の設立など、県政の発展に尽力しました。

文化振興にも熱心で、茶室「明々庵」の再建や田部美術館の設立に尽力しました。また、出雲大社の復興事業にも貢献しました。

人物像

幼少期から祖父から武士道を教え込まれ、その影響を強く受けました。また、若い頃には女優の司葉子の父である庄司繁二郎から様々なことを学び、司姉妹を可愛がったと言われています。竹下登元首相を「登、登」と呼び、わが子のように可愛がっていたことでも知られています。

趣味は美術、陶芸、囲碁、柔道と多岐にわたり、宗教は真宗を信仰していました。

家族・親族

田部家は、紀州熊野庄をルーツとする旧家で、江戸時代には準武士として扱われ、山林を多く所有する大地主でした。23代長右衛門は、作家の司馬遼太郎との対談で、自身の家系について語っています。

家族構成は、妻喬子との間に、長男で24代田部長右衛門、長女、二女、三女、四女がいます。

略年譜

1906年（明治39年）3月25日 - 島根県飯石郡吉田村（現・雲南市）に生まれる。
1924年（大正13年）3月 - 松江中学校卒業。
1929年（昭和4年）3月 - 旧制新潟高等学校卒業。
1933年（昭和8年）- 京都帝国大学経済学部卒業。
1940年（昭和15年）4月 - 松乃舎病院（現・島根県立中央病院）創設。
1942年（昭和17年）4月 - 衆議院議員に初当選。
1959年（昭和34年）4月 - 島根県知事に就任（1期）。
1963年（昭和38年）4月 - 島根県知事（2期）。
1967年（昭和42年）4月 - 島根県知事（3期）。
1979年（昭和54年）9月15日 - 逝去。

関連人物

竹下登：元首相、田部の支援を受けて政治家として活動。
司葉子：女優、田部家と親交があった。
青木幹雄：政治家、田部と親交があった。
石破二朗：政治家、田部と親交があった。
* 亀井久興：政治家、田部と親交があった。


田部長右衛門は、実業家、政治家、文化人として多岐にわたる分野で活躍し、島根県の発展に大きく貢献しました。

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