田鶴園子

田鶴園子について

田鶴園子（たづる そのこ、本名：田中利子）は、1907年10月25日生まれ。1989年10月8日に亡くなりました。彼女は宝塚歌劇団で活躍した元男役スターであり、大阪府大阪市天王寺区の出身です。園子は、妹の御幸市子も宝塚に在籍していたことから、芸能界との縁が深い家庭に生まれ育ちました。また、彼女の夫は無声映画の時代に名を馳せた俳優の岡田時彦で、一人娘には女優として知られる岡田茉莉子がいます。

来歴とキャリア

田鶴園子は1924年に宝塚少女歌劇団（現在の宝塚歌劇団）に入団し、14期生としてスタートしました。この時の同期には浦野まつほや嵯峨あきら、初音麗子といった著名なタレントが名を連ねていました。彼女は、駆け出しの頃から月組で活動し、1931年からは花組に所属して男役としての地位を築いていきます。1932年には退団し、前年に設立された現代劇スターダイレクターの岡田時彦と結婚しますが、入籍はしませんでした。

結婚後の1933年には、東京で娘の岡田茉莉子を出産。その後、夫の岡田が京都に移住した際に同行し、その地で生活することになります。しかし1934年に岡田が結核で早逝し、田鶴は一人で娘を育てることとなりました。独り立ちした彼女は、女手ひとつで娘を育てる傍ら、1938年にはダンス教師の資格を取得し、舞台や教壇に立つ活動を開始します。

家族と転機

田鶴園子は、娘を妹の御幸市子に預けつつ、1940年に再び娘を呼び寄せますが、戦中の不安定な状況により、1944年には再び妹に預けることとなります。1951年、娘の岡田茉莉子を東宝演技研究所に入所させ、彼女の女優としての道を後押しすることになりました。茉莉子は、谷崎潤一郎によって命名された名前で、1982年にデビューしました。

一人娘が映画界に進出した後も、田鶴は家庭の支え役としての生活を続け、娘の舞台活動には随時顔を出すようになりました。彼女は後年、岡田が舞台にシフトした時に楽屋を訪ね、彼女の温かい人柄から仲間たちに慕われていたと言われています。自らの活躍は控えめでありながらも、家族を大切にし、サポートする姿勢が彼女の人生を通じて表れていました。

最期と遺産

田鶴園子は1989年に病を患い、81歳でこの世を去りました。彼女の人生は、宝塚という舞台での華麗なキャリアと、家族との深い絆で彩られています。彼女が残した影響は、娘の岡田茉莉子を通じて、今もなお多くの人々に伝わっています。

出演作品

以下は、田鶴園子が宝塚歌劇団で出演した主な作品です：

• - 『ジャックと豆の木』月組（1930年2月）
• - 『セニョリータ』月組（1931年1月）
• - 『短波長発信機』月組（1931年7月）
• - 『那須野』花組（1931年12月）
• - 『七夕船』花組（1932年6月）

田鶴の豊かな人生とキャリアは、今なお多くの人々に影響を与える存在であり続けています。

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