男役

男役（おとこやく）について

男役とは、主に少女歌劇の伝統を引き継ぐ劇団、たとえば宝塚歌劇団やOSK日本歌劇団で男性の役を担当する劇団員を指します。これらの劇団において、男役は通常、娘役（女性役）の役者に比べて人気が高く、重要な位置を占めています。特に、宝塚歌劇のフィナーレでの演出では、男役が大階段を独自に降りる場面が定番となっています。

男役の歴史

男役のはじまりは1924年に遡り、宝塚少女歌劇団が宝塚大劇場を開設した際にレビュー形式を取り入れたことから始まります。初期の頃は、男性の役を演じる際に、出演者は髪をまとめて帽子を被るといったシンプルなスタイルが主流でした。しかし時が経つにつれ、男装のスタイルは進化していきます。1930年には水の江瀧子がバッサリ髪を切って男装を披露し、その影響で「ターキー・ブーム」と呼ばれる現象が起きました。この時期に男役のスタイルが一層確立されていきます。

1932年には宝塚で初めて短髪にした女優が登場し、以降男役の特徴的なスタイルが浸透していきます。また、1980年代からは、男役は日常生活でもパンツスタイルを多く見せるようになり、男装での見た目と私服とのギャップも注目されるようになりました。

現在の宝塚歌劇団では、男役の平均身長は170cmを超えており、特に166cmを下回る志望者は男役としての待遇を得ることが難しい現実があります。舞台に立つ少女たちが男役への憧れを持つ一方で、適正な容姿が求められているのです。

男役の技術

「男役10年」という言葉が表すように、一人の女優が男役をこなすには長い時間と努力が必要です。男役の育成にはこれといったテキストが存在するわけではなく、先輩たちの演技を模倣しながら、各自で工夫を凝らす必要があります。そのため、男役の個性は時間と共に際立つことが多く、力強さやスマートさ、歌唱力を強みにする者がそれぞれのスタイルを確立させます。

女優たちは、女性の体型を補正するためにさまざまな道具を使用します。さらしや補正下着、肩パッドを装着するとともに、衣装自体にも男役にふさわしいデザインが求められています。特に男役用の衣装は、普通の男性衣装とは異なる独自のスタイルに仕上げられることが多いです。

まとめ

男役は宝塚歌劇やOSK日本歌劇団などの劇団で重要な役割を果たす一方で、そのスタイルや技術には多くの努力と経験が必要です。そして、男役に求められる条件や付加的な要素は、舞台芸術の発展とともに進化し続けています。

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