甲子園 (福山雅治の曲)

福山雅治「甲子園」：100回大会を彩った応援歌

シンガーソングライター福山雅治が2018年に発表した「甲子園」は、その年の夏の甲子園、第100回全国高等学校野球選手権記念大会のテーマソングとして制作されました。NHKが大会中継を行うにあたり、記念すべき大会を盛り上げ、高校野球を通じて日本人のアイデンティティを再認識させたいという思いから、テーマソングの制作が企画されました。

楽曲制作の背景

NHKは、楽曲制作を依頼するアーティストとして、故郷への想いや、頑張る人へのエール、家族への愛をテーマにした楽曲を多く手がけてきた福山雅治を選びました。高校野球を通して伝えたいメッセージを、福山なら曲にできると考えたからです。

福山自身も、甲子園でしか表現できない感動や青春の輝きを表現したいという強い思いを持っていました。「高校野球100年のつながりが100年後も続いて欲しい」という願いを込め、この楽曲を制作したと語っています。中学生時代には吹奏楽部で部長を務めていた経験から、甲子園のアルプススタンドで応援するブラスバンド部に憧れていたというエピソードも、楽曲制作に大きな影響を与えました。球児だけでなく、彼らを応援する全ての人々への想いを込めて、この曲は作られたのです。

ミュージックビデオの制作

ミュージックビデオの制作にあたっては、福山自身が「ブラスバンド部の学生たちと一緒に撮影したい」と提案しました。その結果、京都橘高等学校、関西学院高等部、甲子園学院高等学校、武庫川女子大学附属高等学校、仁川学院高等学校の5校、総勢300名を超える学生たちが参加し、阪神甲子園球場で大規模な撮影が行われました。NHKは、このミュージックビデオをNHKオフィシャルバージョンとブラスバンドメイキングバージョンの二種類を制作し、特設サイトで公開しました。

リリースとジャケット写真

楽曲は2018年8月27日に配信リリースされました。ジャケット写真には、福山が小学生時代に所属していたソフトボールチームのユニフォーム姿の写真が採用されました。この写真について福山は、「甲子園は多くの人の憧れの場所だが、『憧れは形を変えて叶うこともある』という実体験から、この写真を選んだ」とコメントしています。

高校野球中継での使用

「甲子園」は、大会以降NHKの高校野球中継のエンディングテーマとして使用されました。また、春の選抜大会では入場行進曲、夏の大会では「栄冠は君に輝く」に代わる学校・ふるさと紹介のBGMとしても使用されました。しかし、2021年夏にはふるさと紹介のBGMが「栄冠は君に輝く」に戻され、エンディングのみの使用となりました。2023年春には、連続テレビ小説『舞いあがれ!』の主題歌であるback numberの「アイラブユー」がハイライトやエンディングで使用されましたが、入場行進曲には選ばれました。

まとめ

「甲子園」は、福山雅治の音楽的才能と高校野球への熱い想いが結実した楽曲です。100回大会という記念すべき年に、球児たちだけでなく、彼らを応援するすべての人々に勇気と感動を与えました。ミュージックビデオに多くの学生たちが参加したことからも、この曲が世代を超えて愛されていることがわかります。

福山雅治 New Single「甲子園」特設サイト
スペシャル企画 - ウェイバックマシン（2002年8月3日アーカイブ分） - NHK大阪放送局甲子園特設サイト

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