甲子園浜出入口

阪神高速道路5号湾岸線上に位置する「甲子園浜出入口」（こうしえんはまでいりぐち）は、兵庫県西宮市甲子園浜エリアに設けられた重要な交通結節点の一つです。このインターチェンジは、その構造や機能、そして最近の利用方法に関する変更点において、いくつかの特徴を持っています。

ハーフインターチェンジとしての役割

甲子園浜出入口は、いわゆる「ハーフインターチェンジ」と呼ばれる形式を採用しています。これは、特定の方向への通行のみが可能であることを意味します。具体的には、この出入口を利用できるのは、六甲アイランド方面への通行に限られています。大阪方面から六甲アイランド方面へ向かう車両がこの出入口で高速道路を降りる（出口）、あるいは、六甲アイランド方面へ向かう車両がこの出入口から高速道路に乗る（入口）ことができます。一方、六甲アイランド方面から大阪方面へ向かう車両がここで降りたり、大阪方面へ向かう車両がここから乗ったりすることはできません。このような設計は、周辺の道路網や交通量を考慮し、高速道路へのアクセスを効率的に分散させる目的で行われています。

料金所とETC専用化

インターチェンジには、阪神高速道路の料金を収受するための甲子園浜料金所が併設されています。かつて、阪神高速道路が距離料金制を導入する以前は、この甲子園浜出入口から大阪方面（大阪市内、泉佐野、りんくう、関西国際空港など）へ向かう区間が、他の区間とは異なる料金体系、すなわち別途料金が必要となる区間として設定されていました。これは当時の料金区分における特異な点であり、利用者にとっては注意が必要な情報でした。現在は全線で距離料金制が適用されています。

料金所の設備に関しては、近年大きな変更がありました。都市部における交通の円滑化とキャッシュレス決済の推進の流れを受け、2022年（令和4年）5月27日の午前0時より、甲子園浜出入口の「入口」がETC（ノンストップ自動料金収受システム）専用となりました。これにより、この料金所から阪神高速道路に乗る全ての車両は、ETC車載器を搭載し、ETCカードを利用する必要があります。現金やその他の方法での支払いは一切できなくなり、ETCを利用しない車両はここから流入することが不可能になりました。甲子園浜料金所には合計で2つのブースが設けられており、そのうち1つが完全にETC専用レーンとして機能し、もう1つはETCが正常に作動しない場合などのトラブルに対応するためのサポートレーンとして運用されています。

周辺施設へのアクセス

甲子園浜出入口の周辺は、市民生活やレクリエーションに関連する施設が整備されているエリアです。特に著名な施設としては、「甲子園浜海浜公園」が挙げられます。この公園は、美しい海岸線に沿って広がる緑地や遊歩道が整備されており、散策やバードウォッチング、釣りなどを楽しむことができる自然豊かなスポットです。また、近隣には「甲子園浜野球場」もあり、主にアマチュア野球の公式戦や練習試合などが開催されています。これらの施設へ車でアクセスする際の最寄りのインターチェンジとして、甲子園浜出入口が利用される機会が多いです。

路線情報と隣接インターチェンジ

甲子園浜出入口は、阪神高速道路5号湾岸線の正式なインターチェンジ番号「5-09」が付与されています。この5号湾岸線は、大阪府泉佐野市から兵庫県神戸市まで、大阪湾沿岸地域を結ぶ重要な路線であり、関西国際空港へのアクセスルートとしても機能しています。甲子園浜出入口の前後には、以下のインターチェンジが位置しています。

- 大阪方面寄りの隣：(5-08) 鳴尾浜出入口
- 六甲アイランド方面寄りの隣：(5-10) 西宮浜出入口

これらのインターチェンジとともに、甲子園浜出入口は湾岸地域の交通ネットワークの一部を構成し、地域間の円滑な移動を支えています。

まとめ

阪神高速5号湾岸線の甲子園浜出入口は、兵庫県西宮市甲子園浜に位置する、六甲アイランド方面専用のハーフインターチェンジです。2022年5月末からの入口のETC専用化は、この出入口を利用する上で最も重要な変更点の一つです。周辺の海浜公園や野球場へのアクセスにも便利であり、地域の交通利便性向上に貢献しています。利用者は、目的地方向やETC利用の可否を確認の上、適切なルートを選択することが推奨されます。

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