甲府競馬場

甲府競馬場について

甲府競馬場（こうふけいばじょう）は、山梨県中巨摩郡玉幡村（現在の甲斐市）にかつて存在していた地方競馬場です。この競馬場は1928年に設立され、地方競馬の歴史の一部を形成していました。

開設の歴史

競馬場は中巨摩郡畜産組合の管轄のもと、1928年11月26日に初めて開催されました。スタート当初は3日間のみの開催でしたが、その後1933年からは山梨県競馬会に運営が移管され、年2回の開催が行われました。しかし、経営が厳しくなり、1938年には日本精神修養研究会が競馬場の土地を買収し、玉幡飛行場の拡張工事を実施しました。これにより、競馬場の施設は取り壊され、実質的に競馬が行えない状況になりました。

戦後の再開

太平洋戦争が終わった1946年には、地方競馬法が施行されると共に、玉幡競馬場の名称で再び競馬が行われる計画が立てられました。しかし、競馬場のあった場所には甲府空襲によって山梨県立農林学校の校舎が焼失し、その後、山梨県立農林高等学校に移転してきたため、競馬の再開は叶いませんでした。最終的に競馬場は廃止となり、その跡地には現在、山梨県立農林高等学校と警察学校、釜無工業団地などが立地しています。競馬場の面影は、今では全く残っていないのが実情です。

競馬場の設備

甲府競馬場は、一周1000メートルの右回りのダートコースを持ち、木造のスタンドや投票所が設置されていました。このような施設は、競馬ファンにとって思い出の場所であったと考えられます。

関連エピソード

競馬場の近くには「農林高校前駅」という、かつて存在した山梨交通の臨時駅がありました。この駅は競馬開催中に「玉幡仮停留場」として営業していた後、正式に「競馬場前」として開業されましたが、競馬場が閉鎖されたために数度の名称変更を経て、最終的に現在の駅名に定着しました。

このように、甲府競馬場は地域における重要なスポーツ施設でありましたが、経営上の理由や戦後の影響によりその歴史を閉じる結果となりました。今なお、当地を訪れる人々によって、その記憶は語り継がれています。

もう一度検索