臨時駅

臨時駅（りんじえき）とは

臨時駅とは、一定の期間のみ営業される鉄道の駅のことを指します。この駅は、主に観光エリアや特定のイベントの開催時に設けられ、利用されることが多いのが特徴です。

設置理由

臨時駅は、海水浴場やスキー場、春の桜や秋の紅葉といった季節ごとの観光名所へのアクセスを目的に設置されることが一般的です。また、地域で開催される催しやイベントにおいても、参加者の便を図るために一時的に営業が行われる場合があります。

特に冬季には、雪が多く利用が少なくなる地域で、正規の駅の除雪手間を減らすために営業を休止し、臨時駅としての形で開設されることが見受けられます。臨時駅は営業期間が限定されているため、駅舎を持たないプラットフォームのみのものも多く存在します。中には、仮乗降場に類似した形で通年営業するケースもありますが、利用の少ない場合には非常に簡素な施設となることが一般的です。

その他の分類

臨時駅の中には、年間を通じて一度も列車が停車しない「通年休止駅」と呼ばれるものが存在します。これに加え、臨時駅が常設駅に昇格することや、逆に常設駅が臨時駅に格下げされることもあります。運賃に関しては、営業キロが掲載されている場合はその距離に基づいて計算され、掲載がない場合は次に近い営業駅までの運賃が適用されるルールが定められています。

日本国有鉄道（国鉄）の事例

国鉄の時代には、1969年10月1日以前は「仮駅」や「仮乗降場」という名称が使われ、「仮駅」は長期間の人出が見込まれる観光地に設置されるものを指し、「仮乗降場」は短期的なイベントや災害時に利用される駅を指していました。1987年の国鉄分割民営化以降、通年営業する駅は常設駅に昇格しています。

日本の臨時駅一覧

2023年3月時点での日本の臨時駅には、春季や夏季、冬季に限定営業を行う駅が含まれます。例えば、偕楽園駅は春に、ラベンダー畑駅や海水浴場の最寄り駅は夏に営業されるといった具合です。また、特定のイベント時のみ開放される駅として、津島ノ宮駅や鹿島サッカースタジアム駅も存在します。

主要な臨時駅の例

• - 北海道

- 原生花園駅（釧網本線）
- ラベンダー畑駅（富良野線）

• - 東日本

- 猪苗代湖畔駅（磐越西線）
- ガーラ湯沢駅（上越線）

• - 西日本

- 鹿島サッカースタジアム駅（鹿島線）
- 津島ノ宮駅（予讃線）
- バルーンさが駅（長崎本線）
などが挙げられます。

近年の動向

日本各地での臨時駅は、新たな観光需要や地域活性化に応じて設置・変遷を続けています。特に観光地へのアクセス向上に寄与しており、地域の経済活動に貢献しています。それに併せて、臨時の営業形態は今後も多様化していくと予想されます。半面、臨時駅の設置や廃止は、地元のニーズと鉄道会社の経営方針に大きく影響されるため、その状況は常に変化することも考慮する必要があります。

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