甲府精進湖有料道路

甲府精進湖有料道路（こうふしょうじこゆうりょうどうろ）

甲府精進湖有料道路は、山梨県の東八代郡旧中道町から西八代郡旧上九一色村を結ぶ有料道路で、1973年に供用が開始され、1994年に無料開放された歴史を持つ。

1. 背景

戦後の山梨県では、県央部と静岡県をつなぐ県道の改良事業が進められていたが、右左口峠や女坂峠といった急勾配な山岳地帯の影響を受け、 改良が進まないという問題があった。この厳しい地形を乗り越えるため、国家プロジェクトの一環として有料道路の建設が決定され、トンネルの設置が行われた。
こうして1973年に一般有料道路として供用が開始された。

2. 有料道路の構成

この有料道路は、主に二つの区域に分かれ、A区間は右左口から梯、B区間は古関から精進湖へ続く。料金はそれぞれ梯料金所と精進料金所で徴収され、周辺の交通利便性向上に貢献した。特に、A区間は山道の急勾配を克服し、通行が容易になったことで、旅行者や地域住民にとって重要な道となった。

3. 名称変更と役割

平成に入ると、安全性や快適性を向上させるため、国道358号と一体となり「精進湖ブルーライン」という愛称が付けられた。これは、景観の美しさや道沿いの観光名所を反映した名称であった。1994年には料金徴収の期限が切れたことを受け、全線が無料開放され、国道358号として再認定を受けた。これにより、かつての有料道路は地域貢献の一助となった。

4. 路線概要

甲府精進湖有料道路の全長は12.0kmであり、右左口から梯までのA区間と古関から精進湖までのB区間に分かれている。両区間とも2車線で、スムーズな通行を確保していた。また、この有料道路は山梨県企業局によって管理されていた。

5. 主要な沿革

この道路の歴史は、1971年に起工式が行われたことから始まる。その後、1973年に竣工式が挙行され、同年4月1日に正式に供用が開始された。1980年代には管理事務所が統合され、1994年には営業停止を迎えた。

6. 主な施設

この有料道路には、料金所として梯料金所や精進料金所が設置されていた。また、トンネルとしては、延長約1,090mの精進湖隧道と約1,625mの右左口隧道があり、山を貫通する形で通行が可能であった。これにより、通行時の安全性が確保されていた。

7. まとめ

甲府精進湖有料道路は、山梨県の重要な交通路として多くの人々に利用され続けてきた。無料開放後もその価値は見直され、地方の交通事情を支える重要な役割を果たしている。地域の発展と観光振興に貢献してきたこの道は、今後も人々に親しまれる存在であり続けるだろう。

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