中道町(なかみちまち)
中道
町は
山梨県東八代郡に曾て存在した
町で、
甲斐国と
駿河国をつなぐ古代の交通路「中道往還」にその名を由来します。この
町は、勾配の少ない地形で南東端に広がる甲府盆地の入口に位置し、国道358号が縦に貫通していました。
地理
南部は御坂山地に接し、北部には笛吹川が流れ、滝戸川が
町を中央に走っています。これに囲まれた城乡には、滝戸山や米倉山といった山々が存在し、豊かな自然環境を形成しています。特に笛吹川は、この地域の重要な水源として知られています。
歴史
中道
町の周辺は
更新世から形成されており、人的活動の痕跡が古くから残されています。立石
遺跡をはじめ、縄文や
弥生時代の
遺跡も数多く発見されており、これらはこの地での長い歴史を物語っています。
古墳時代になると、古墳文化がこの地に影響を及ぼし、特徴的な大型古墳が多数築造されました。
特に小平沢古墳は、県内でも唯一の前方後方墳であり、その存在はこの地区の古墳の中でも重要です。また、年代を考えると、4世紀後半に作られた甲斐銚子塚古墳は、特に注目を集めています。これらの古墳は、当時の強力な貴族や権力者の存在を示唆していると考えられています。
平安時代以降、
甲斐源氏の影響が波及し、
町域内にも曽根氏や向山氏といった有名な武士団が登場します。中道往還は、古代より甲駿または軍道としても重要な位置を占め、これにより戦国時代などには様々な軍事行動が展開されました。
近世には様々な産業が栄え、特に米や麦の栽培が行われました。近代に入ると、身延線の開通もあり、果樹や
養豚に力を入れるなど新たな経済活動を展開しました。さらに、1982年には甲斐銚子塚古墳が国の
史跡に指定されるなど、地域の歴史的資産が重視されています。
沿革
中道
町は
1955年に右左口村と柏村が合併して誕生しましたが、
2006年には
甲府市に編入され、その名を消しました。
交通
交通網も整備され、路線バスや高速バスがあり、
中央自動車道の甲府南ICも利用可能です。また、多くの県道が
町内を通り、交通の要所となっています。
教育
教育機関としては、中道北小学校や中道南小学校、笛南中学校が存在し、地域の子どもたちの教育が行われています。
町内には風土記の丘や曽根丘陵公園などの
史跡が多く点在しており、特に
山梨県立考古博物館などは、地域の歴史や文化を学ぶ重要な場所となっています。
有名人
この
町からは歌人の山崎方代が輩出されています。
中道
町は、その歴史や文化、自然環境の豊かさから、かつて多くの人々に親しまれていました。今もなお、その名は多くの記憶に刻まれています。