甲斐中辰夫

甲斐中辰夫について

甲斐中辰夫（かいなか たつお）氏は、1940年1月2日生まれの日本の法律家です。検察官として長年務めた後、最高裁判所の判事に就任しました。退官後は弁護士として、また企業の社外役員や第三者委員会の委員長としても活躍しています。兵庫県豊岡市出身です。

経歴

1958年、兵庫県立豊岡高等学校を卒業。
1962年、中央大学法学部法律学科を卒業。
1964年、司法修習を修了。
1966年、検事に任官。
1982年、内閣調査官に就任。
1985年、東京地方検察庁検事に。
1987年、法務大臣官房営繕課長に。
1990年、千葉地方検察庁次席検事に。
1992年、最高検察庁検事に。
1993年、金沢地方検察庁検事正に。
1994年、東京地方検察庁次席検事に。
1996年、東京高等検察庁次席検事に。
1998年、横浜地方検察庁検事正に。
1998年、最高検察庁刑事部長に。
1999年、東京地方検察庁検事正に。
2000年、高松高等検察庁検事長に。
2001年、次長検事に。
2002年、東京高等検察庁検事長に。
2002年10月7日、最高裁判所判事に就任。
2010年1月1日、定年退官。
2010年3月、東京弁護士会に弁護士登録。
2010年4月、卓照綜合法律事務所に入所。
2011年1月、生命保険契約者保護機構理事長に就任。
2011年、オリンパスの損失隠し問題に関する第三者委員会の委員長を務める。
2012年2月、日本航空株式会社の社外取締役に就任。
2012年、株式会社オリエンタルランドの社外監査役に就任。
2012年11月3日、秋の叙勲にて旭日大綬章を受章。
2013年11月、株式会社みずほ銀行の社外取締役に就任。
2014年6月、株式会社みずほフィナンシャルグループの社外取締役に就任。
2015年5月、日本年金機構の不正アクセス事案に関する検証委員会の委員長を務める。
2021年3月、みずほフィナンシャルグループのシステム障害対応検証委員会の委員長を務める。

最高裁判事としての活動

最高裁判事としては、以下のような重要な判決に関与しました。

衆議院議員小選挙区の区割り規定に関する判決: 2005年の衆議院総選挙における小選挙区の区割り規定が憲法に適合するかどうかが争われた裁判で、合憲とする多数意見に加わりました。
候補者届出政党所属候補者と無所属候補者の選挙運動の差異に関する判決: 衆議院議員選挙において、政党に所属する候補者と無所属の候補者で選挙運動に差異を設けることが憲法に適合するかどうかが争われた裁判で、合憲とする多数意見に加わりました。
国籍法3条1項に関する判決: 国籍法3条1項が憲法に違反するかどうかが争われた裁判で、違憲状態であるとの反対意見を表明しましたが、原告の請求は棄却すべきという判断を下しました。

みずほフィナンシャルグループ社外取締役としての活動

みずほフィナンシャルグループの社外取締役として、システム障害問題への対応に尽力しました。2022年6月には、アメリカの議決権行使助言会社から取締役候補者として反対推奨を受けるという事態がありましたが、株主総会において、再発防止に尽力する旨を表明し、留任しています。

親族

父は衆議院議員を務めた甲斐中文治郎です。

その他

甲斐中氏は、長年の検察官としての経験と、最高裁判事としての知見を活かし、退官後も様々な分野で活躍しています。特に、企業不祥事の第三者委員会の委員長を多数務めており、その手腕は高く評価されています。また、社外役員としても、企業の健全な運営に貢献しています。

関連事項

2005年衆院選合憲判決

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