甲斐好美

甲斐 好美の陸上競技人生

甲斐好美（かい このみ）は、1993年7月10日に日本の埼玉県で生まれ、幼少期には宮崎県に移住しました。彼女の陸上競技との出会いは、小学校4年生の時で、以来、徐々にその道を歩んできました。日向学院中学校・高等学校に進学し、高校から本格的に陸上部に所属して走幅跳に取り組んだものの、当時の自己ベストは5m43cmと、特別な成績を残すことはありませんでした。彼女は部活動を「楽しむもの」と捉えており、全国高等学校総合体育大会（インターハイ）にも出場することなく高校生活を終えました。

2012年には大学進学とともに、祖母が住む埼玉県に移り住みました。この頃、甲斐は「趣味としての陸上」を続けたいと考え、大学の陸上部ではなく、クラブチーム「VOLVER」に参加しました。ここで出会ったコーチが「6メートルは跳べるから、日本選手権を目指してみないか」とアドバイスしたことが、彼女の競技人生に新たな方向性を与えました。軽い気持ちで始めた競技だったものの、2013年の関東選手権への出場を逃した経験が大きな転機となり、彼女は本格的に走力と技術の向上に励みました。

そして2014年、甲斐はついに6mの記録を超えることに成功しました。その年の第98回日本陸上競技選手権大会では、6m07cmを記録し、見事3位に入賞しました。また、11月にはさいたま市で行われた跳躍記録会で6m36cmを跳び、2014年の日本ランキング1位にも輝きました。彼女の努力と成績は日本の陸上界で徐々に注目を集めることとなったのです。

2015年には、アジア陸上競技選手権大会の日本代表に選ばれましたが、膝の怪我を抱えた状態での出場となりました。それでも、彼女は6m06cmを跳び、8位という結果を収めました。同年の第99回日本陸上競技選手権大会には怪我のため参加できませんでしたが、復帰戦となる新座選手権では、日本歴代3位の記録となる6m73cmを跳ぶことに成功しました。この記録は、翌年のリオデジャネイロオリンピックの参加標準記録をもクリアしたものでした。その後の大会でも好調を維持し、8月には6m71cm、10月には6m84cmという自己ベストを更新し続けました。

2016年には、第100回日本陸上競技選手権大会において雨の中で6m36cmを跳び、これが彼女にとっての初優勝となりました。この成果によって、彼女はリオデジャネイロオリンピックの出場権を得ることが内定しました。甲斐好美は、もともと趣味で始めた陸上競技が、努力と成長を通じて国際舞台での競争へと繋がった選手です。今後のさらなる活躍が期待されます。

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