男はつらいよ 奮闘篇

映画『男はつらいよ 奮闘篇』の概要

『男はつらいよ 奮闘篇』は、1971年4月28日に公開された日本[[映画]]で、長年愛され続ける『男はつらいよ』シリーズの第7作目です。この作品では、初めて脚本に参加した朝間義隆が以降の全作品に携わることになります。本作と同時上映されたのは『花も実もある為五郎』です。

あらすじ

映画の冒頭は、雪国から集団就職で上京しようとする若者たちを寅次郎が励ますドキュメンタリー風の映像で始まります。一年前に「近々嫁をもらう」との連絡があったため、寅次郎の母、お菊（ミヤコ蝶々）がとらやを訪れます。お菊は寅次郎のだらしない生活に対し激しい怒りを表しますが、さくらはお菊の厳しい言葉に対し反発を見せます。この親子のやりとりは、寅次郎の心に影を落とします。

その後、寅次郎は一晩だけ柴又に留まった後、静岡の富士市で啖呵売を行います。ここで彼は、津軽訛りの少女・花子（榊原るみ）と出会い、彼女が普通の女の子とは異なる特性を持っていることに気づきます。生活に困窮していた花子に対し、寅次郎は思いやりを示し、青森に帰るための交通費を提供します。この優しさが、花子との特別な関係を生むきっかけになります。

数日後、桜の季節が訪れた柴又に花子が現れ、寅次郎との再会を果たします。とらやの家族は花子の身元を調べようとしますが、寅次郎は自ら花子を支えたいと insistします。次第に花子は寅次郎に好意を抱くようになり、「とらちゃんの嫁になりたい」と告白します。これに対し、寅次郎もまた彼女を守ろうとしますが、心の中では結婚を考え始めます。

だが、そんなある日、寅次郎が留守の時に花子の小学校時代の先生、福士先生（田中邦衛）が現れ、花子を津軽へ連れて帰ることになります。寅次郎はこの事実に激怒し、さくらは一瞬戸惑うも、福士先生と過ごす方が花子の幸せだと認めざるを得なくなります。失望し、さくらを突き飛ばしとらやを飛び出す寅次郎。その数日後に届いた手紙には、「花子も元気で俺はもう用なし」と、暗い未来を匂わせる内容が書かれていて、家族は不安に駆られます。

映画の見どころ

映画は心の絆と成長を描くと同時に、さまざまな人々の温かい交流も表現しています。オープニングでは初めて船から江戸川の土手を映し出します。ラストシーンでは寅次郎とさくらが同じバスに乗るという珍しい展開があり、観客の心に残ります。また、映画中にはクラシック音楽が巧みに使用され、物語を彩っています。

ロケ地とキャスト

本作は新潟県や静岡県、青森県など多様なロケ地で撮影され、寅次郎役の渥美清やさくら役の倍賞千恵子、花子役の榊原るみなど、豪華キャストが顔を揃えています。監督は山田洋次が務め、情感溢れるストーリーを見事に表現しています。観客動員数は92万6000人に達し、数々の賞を受賞した本作は、日本[[映画]]の名作として今なお人々に親しまれています。

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