男はつらいよ 寅次郎と殿様

映画『男はつらいよ 寅次郎と殿様』について

『男はつらいよ 寅次郎と殿様』は、1977年8月6日に公開された日本映画であり、寅さんシリーズの第19作目です。この作品は、旅好きな主人公・車寅次郎の心温まる人間模様を描いており、同時上映された映画は中村雅俊が主演の『坊ちゃん』でした。

あらすじ

映画は寅次郎の夢から始まります。彼が夢の中で鞍馬天狗となり、妹のさくらと再会する場面が描かれます。端午の節句に柴又に帰った寅次郎は、満男のために購入したこいのぼりを巡ってトラブルを起こし、また、新しく飼い始めた犬を「トラ」と名付けたことに不満を抱き、投げやり気味に旅に出てしまいます。

途中、伊予大洲市の旅館で一人の女性・真野響子演じる鞠子と出会います。彼女は寂しげな様子で、寅次郎は鮎料理をご馳走することで交流を持つことに。鞠子が東京の葛飾区に住んでいると聞き、寅次郎も自分の実家を話します。

次の日、偶然出会った老人の家に招待された寅次郎は、彼が藤堂久宗という大洲の殿様の子孫であることを知ります。執事の吉田は不思議な存在ながらもおかしみを感じさせるキャラクターで、殿様は寅次郎に特別な友情を寄せます。

殿様は亡くなった次男のことを話し、息子の嫁・まりこに謝罪したいと言います。寅次郎は酒の勢いで殿様からの依頼を受け、彼女を探すことにします。

鞠子との出会い

寅次郎が東京でまりこを探している最中、過去に出会った女性が再び登場します。実は彼女が求めていた「まりこ」であることが判明します。鞠子は、自身の過去を抱えつつも、寅次郎に感謝の気持ちを伝えます。

一方、寅次郎は鞠子に惚れてしまいますが、彼女に再婚を考えている職場の同僚がいると聞き、複雑な感情を抱くことになります。さくらはそんな寅次郎の心情を優しく思いやり、涙を流します。

結末

物語の最後は、寅次郎が大洲から電話をかけるシーンで締めくくられます。彼はますます殿様から気に入られ、吉田にからまれて、コミカルな結末へと導かれます。

この作品は、寅次郎の旅を通じて様々な人との出会いが描かれ、友情と家族愛、そして失われた過去との向き合いをテーマにしています。

キャスト

• - 車寅次郎：渥美清
• - 諏訪さくら：倍賞千恵子
• - 堤鞠子（マドンナ）：真野響子
• - 車竜造（おいちゃん）：下條正巳
• - 車つね（おばちゃん）：三崎千恵子
• - 殿様（藤堂久宗）：嵐寛寿郎

ロケ地

愛媛県の大洲市や松山市、東京都葛飾区などでロケが行われ、多くの美しい景色が作品に彩りを添えています。

この映画は、寅次郎の人情味あふれるエピソードやキャラクターたちにより、多くのファンに愛され続けています。

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