男はつらいよ 寅次郎頑張れ!

男はつらいよ 寅次郎頑張れ!

『男はつらいよ 寅次郎頑張れ!』は、1977年12月29日に公開された『男はつらいよ』シリーズの20作目です。今回は、とらやに下宿する青年と近所の食堂で働く娘の恋模様が描かれ、寅次郎が恋のキューピッド役を買って出ます。

あらすじ

寅次郎が見る夢は、西洋風の豪邸で目覚めるという奇妙なもの。さくらたちが大金持ちになり、古いとらやを売り払ってしまったことに寅次郎は怒り、焦燥感を覚えます。

旅から柴又に戻った寅次郎は、とらやに「押し売りお断り」の札が貼られているのを見つけます。札を貼ったのは、さくらたちの厚意で下宿している良介という青年でした。良介を押し売りと勘違いした寅次郎は警察に通報してしまい、良介の怒りを買ってしまいます。しかし、ひょんなことから二人は意気投合し、とらやでの生活が再開します。

ある日、寅次郎は近所の食堂で働く幸子という女性に目を奪われます。良介が幸子に好意を寄せていることに気づいた寅次郎は、二人の仲を取り持とうと奔走します。しかし、良介は不器用な性格が災いして、なかなか想いを伝えられません。

ついに良介は、幸子に告白するもタイミングが悪く、激怒されてしまいます。絶望した良介はガス自殺を図り、とらやの2階でガス爆発を起こしてしまいます。騒動の後、良介は故郷の平戸へ帰ります。良介を心配した寅次郎は平戸へ向かい、そこで良介の姉・藤子と出会い、一目惚れしてしまいます。

一方、幸子は良介への想いを断ち切れず、柴又にとらやに良介を訪ねてきます。さくらは良介が平戸に帰ったことを伝え、幸子の気持ちを知り、電話で良介に伝えます。電話に出た寅次郎は、自分が平戸で藤子に世話になっていることを知られます。寅次郎は藤子に夢中になり、教会へ一緒に行ったり、店を手伝ったりと有頂天になります。

さくらからの連絡で、幸子の気持ちを知った良介は東京へ戻ることを決意します。寅次郎と藤子が平戸に残るはずでしたが、藤子も幸子に会うために一緒に東京へ行くと言い出します。寅次郎は平戸に一人残され、良介は寅次郎の藤子への恋心に気づきます。

東京に戻った良介は幸子と再会し、改めて想いを確かめ合います。一方、寅次郎も藤子を追いかけて東京に戻ります。良介と幸子の結婚を祝う宴会の席で、良介は寅次郎が藤子を追って平戸に帰るつもりだと知ります。良介は藤子に、寅次郎と結婚する気持ちがあるのかを問い詰めます。二人のやり取りを聞いてしまった寅次郎は、そっとその場を立ち去り、翌日、さくらに別れを告げて旅に出ます。

正月、良介は幸子を連れて平戸へ帰郷し、物語は幕を閉じます。



本作は、寅次郎が恋のキューピッドとして奮闘する姿を描きながら、人間の温かさや切なさを描いた作品です。中村雅俊と大竹しのぶの若々しい演技も見どころです。

キャスト

車寅次郎：渥美清
諏訪さくら：倍賞千恵子
島田藤子：藤村志保
福村幸子：大竹しのぶ
島田良介：中村雅俊

スタッフ

監督・原作：山田洋次
脚本：山田洋次、朝間義隆
音楽：山本直純

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