町田市歌

町田市歌と町田音頭の背景

東京都町田市の市歌『町田市歌』（まちだしか）は、1963年（昭和38年）に制定されました。この年は町田市の市制施行から5周年を迎える特別な年であり、市の発展を祝うために設立された「町田市市歌制定委員会」によって、制作が進められました。

作詞は花田鶴彦、作曲は明本京静という二人の作り手によるもので、市民からの公募によって選ばれた歌詞とメロディーが見事に融合した作品です。面白いことに、作詞者の花田鶴彦は、実は数多くのペンネームを持つ作家で、福岡県出身の時代小説作家・渋田喜久雄（1902年-1978年）の別名でもありました。彼は1948年に明本が作曲した『新潟県民歌』でも、別のペンネームを使用して入選しており、その経歴は非常に豊かです。

市歌制定と初演

『町田市歌』は1963年の5月4日に制定が告示され、その後の5月12日には「母と子の集い」において、作曲者の明本と共に創唱者の安西愛子によって発表音楽会が行われました。興味深い点は、この発表音楽会に合わせて製造されたレコードの表題が、市の正式な告示と異なり、「町田市市歌」と市の部分が一つ多く印刷されていたことです。これにより、ファンの間での話題になる一因ともなりました。

さらに『町田市歌』は、市の表彰式典などで演奏されることが多く、また、サッカーJリーグのFC町田ゼルビアが試合に勝利した際には、サポーターたちがこの歌を合唱し、町田の誇りを表現しています。他にも、市広報課ではこの市歌に加え、同時に制定された「町田音頭」、および市民愛唱歌「ふるさと町田よ」の3曲をカセットテープやCDとして貸し出しています。

町田音頭

『町田音頭』（まちだおんど）は、市歌と同時に一般公募によって歌詞が募集され、同じく5周年記念式典で初めて演奏された市民のための音頭歌です。ただし、市の規則集には記載されていないため、市歌とは異なる位置づけとなっています。作詞は金子一男、作曲は再び明本京静が手がけ、編曲は小沢直与志が担当しました。市歌のB面に収録されたこの音頭は、多摩幸子と小林良巳の歌唱によるもので、1978年に刊行された『日本のおどり』に振付が紹介されています。

その他の楽曲

町田市には他にも市民愛唱歌が存在し、1989年に発表された「ふるさと町田よ」は、その代表的な楽曲となっています。作詞は源田多美子、作曲・編曲は源田俊一郎が手がけ、特に市民体操「町田を元気にするトレーニング」のBGMとして広く利用されています。

また、『町田音頭』とは異なる新しい市民音頭「新町田音頭」も歌われており、作詞を小川三千宗、作曲は大谷涛月が担当しています。歌唱には大谷貞枝が関与しました。さらに、2012年には町田市役所の新庁舎完成を祝して、今西亜美によって『ふるさと町田』が歌われ、新たなご当地音頭として人気を集めました。作詞は横山賢一、作曲は山中博、編曲は川端マモルという素晴らしいチームによって作り出され、キングレコードよりCDとして発売もされています。

まとめ

町田市の音楽には、地域愛を促進し、市民の絆を深める役割を持つ数々の楽曲が存在します。市歌『町田市歌』を中心に、関連する音頭や愛唱歌が市民に親しまれ、町田独自の文化が育まれています。

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