明本京静

明本 京静の生涯と業績

明本京静（あけもと きょうせい、1905年3月23日 - 1972年10月17日）は、日本の有名な作詞家・作曲家で、本名は明本教成です。彼の音楽活動は、戦時歌謡から戦後の音楽運動に至るまで、幅広く多岐にわたりました。彼の作品は多くの人々に親しまれ、特に戦時中の歌や、戦後の明るい社会を目指す歌に多くの貢献をしました。

生い立ちと教育

明本は青森県黒石市で生まれ、旧制青森県立弘前中学校を経て、弘前高等学校を卒業しました。その後、東京帝国大学工学部に入学しましたが、中退しました。彼は音楽の道を志し、近衛秀麿に師事し、新交響楽団でベートーヴェンの「第九」のテナー独唱者としても知られています。

戦時歌謡の成功

彼の音楽キャリアは、昭和14年（1939年）に朝日新聞社が募集した「皇軍感謝の歌」に採用されたことから一変します。この曲「父よあなたは強かった」が日本コロムビアの専属作曲家12人の中から選ばれ、明本は一躍有名に。彼は「皇国の母」や「あゝ紅の血は燃ゆる」など、多くの戦時歌謡を手がけました。「父よあなたは強かった」は特に替え歌としての人気を博し、1960年代まで多くのコントやギャグで利用されるなど、戦時歌謡の中でも特に広く知られた作品となりました。

戦後の活動

戦後、明本は「明るい歌で明るい社会を」をスローガンに掲げ、音楽活動を行いました。1946年には、従来の軍国的な色彩を帯びた国民歌謡に代わるラジオ歌謡の第1作「花の曙」と第2作「風はそよかぜ」を作曲しました。

また、彼は財団法人日本文化協会を設立し、1956年には銀座に指導音楽学校を開校。そこで、歌声サークルや合唱団のリーダーを育成しました。1961年から1972年にかけては、日比谷公会堂で「みんなでうたう音楽会」を毎月開催し、老若男女が気軽に参加できる場を提供しました。これらの活動はNHKのローカル番組でも取り上げられ、広く参加者を集めました。

政治活動とノーベルの歌

1953年には無所属で第3回参議院議員通常選挙に立候補しましたが、惜しくも落選しています。また、1956年には「憲法改正の歌」（作詞：中曽根康弘）を発表し、政治的なテーマにも取り組みました。

主な作品

明本京静の作品には多くのヒット曲が含まれています。代表的なものとしては、『初音の唄』、『武田節』、『直実節』、『皇国の母』、『学徒動員の歌』などがあります。さらに、彼は様々な学校や団体の校歌・団体歌も手がけており、その中には『青森県民の歌』『黒石中学校校歌』『立命館大学学園歌』などが存在します。警察関連の楽曲も多く、各都道府県警察関連の歌も数多く作曲されています。

結論

明本京静は、戦時中の歌謡を通じて日本国民の心に残る作品を生み出し、戦後は明るい社会をつくることを目指した音楽活動で多くの人々を魅了しました。その創作の幅広さと影響力は、今もなお多くの人々に愛されています。

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