画鋲

画鋲：その種類、歴史、そして意外な用途

画鋲、または押しピンは、古くから親しまれる掲示用具です。鋭い針と、金属やプラスチック製の頭部から構成され、手軽に掲示物を壁などに固定できます。一見シンプルな画鋲ですが、その種類や歴史、そして意外な用途まで含めると、奥深い世界が広がっています。

画鋲の種類

画鋲は大きく分けて金属製とプラスチック製の2種類があります。それぞれに様々なバリエーションが存在します。

金属製画鋲

最も一般的なタイプと言えるでしょう。金属製の円盤の中央に針が取り付けられたシンプルな構造です。以前は主流でしたが、近年はプラスチック製にシェアを奪われつつあります。その理由は、床に落ちた際に針が上を向いて危険であること、壁面によっては取り外しが困難であること、錆びやすいことなどです。しかし、しっかりと掲示物を固定できる強度は依然として魅力です。

「二重画鋲」と呼ばれるものもこの金属製に分類されます。名前の通り、頭部に二重構造があったり、溝が刻まれていたりと、見た目にも特徴的なデザインです。かつては製造工程上の理由で二重構造になっていたものが、現在では溝のみのものが主流となっています。

プラスチック製画鋲

近年、金属製に代わり普及しつつあるのがプラスチック製画鋲です。安全性、使いやすさ、デザイン性を向上させた製品が多く見られます。

ダルマ型: 頭部がダルマ型やひょうたん型になっているもの。持ちやすく、安全性を考慮した形状です。
マップピン: 頭部が球形で、針が細くなっています。地図などに位置を表示する用途に適しています。
L字型: 針がL字型になっているもの。壁への刺さり方が安定しており、抜いた後の穴が目立ちにくいのが特徴です。
ユニバーサルデザイン: 手の不自由な方や力の弱い方でも使いやすいよう工夫された画鋲。シリコーンゴム製のリングなどで針に触れにくく、簡単に取り外せるようになっています。

画鋲の用途と歴史

画鋲の主な用途は、掲示物を壁などに固定することです。しかし、その歴史や用途は多岐に渡ります。

掲示物を固定する際は、画鋲の頭部で掲示物を壁にしっかりと押し付ける必要があります。軽く刺すだけでは、掲示物が落下したり、破損する可能性があります。

金属製画鋲は安価で手軽に使えることから、長く親しまれてきました。しかし、前述の通り安全性や使い勝手の面で課題があったことから、近年はプラスチック製の画鋲が普及しつつあります。

また、画鋲は残念ながら、いたずらやいじめにも使われることがあります。特に学校においては、靴の中に忍ばせるといった事例が半世紀以上に渡って問題となっています。

さらに、近年ではプロレスの「画鋲デスマッチ」で使用されるなど、意外な用途にも用いられています。

画鋲の呼び名

画鋲の呼び方は地域によって異なります。「画鋲」が全国的に使われる一方、「押しピン」や「ガバリ」といった呼び名も存在します。「押しピン」は東日本でも広く使われつつあり、金属製とプラスチック製を区別する際に用いられることもあります。

「二重画鋲」という名称の由来については、様々な説がありますが、最近の研究では戦前から存在していたことが明らかになっています。

まとめ

一見シンプルな画鋲ですが、その種類、歴史、そして用途は多様で、私たちの生活に深く関わっています。安全性や使いやすさの向上、そして新たな用途の開拓など、画鋲の進化は今後も続いていくでしょう。

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