畠中宗一

畠中宗一

1951年1月10日生まれ。日本の家族社会学者。学術博士。家族社会学、臨床社会学、家族福祉学を専門とし、大阪市立大学名誉教授の称号を持つ。

鹿児島市に生まれ育ち、1969年3月に鹿児島県立甲南高等学校を卒業。その後、1973年には鹿児島大学教育学部を卒業し、さらに専門的な学びを深めるため大学院へ進んだ。

1975年、立教大学大学院社会学研究科応用社会学修士課程を修了。その後、1980年には筑波大学大学院社会科学研究科社会学専攻博士課程を単位取得の上で退学した。

研究者としてのキャリアは、沖縄キリスト教短期大学での講師職から始まる。その後、中国短期大学幼児教育科助教授を経て、大阪市立大学生活科学部に着任。助教授を務めた後、同大学生活科学部および大学院生活科学研究科の教授へと昇任し、長年にわたり教育と研究の第一線で活躍した。

1999年3月には、大阪市立大学より学術博士の学位を取得。これは、氏の研究成果が学術的に高く評価されたことを示すものである。

2015年3月に大阪市立大学教授を退任し、名誉教授の称号を授与された。その後も研究・教育への情熱は衰えず、関西福祉科学大学社会福祉学部の教授として新たな活躍の場を得た。

専門分野である家族社会学、臨床社会学、家族福祉学においては、家族を取り巻く現代社会の変容や課題、子どもへの支援、社会問題と個人の関わりといったテーマに焦点を当てた研究を行ってきた。「子ども家族支援システム」としてのチャイルドマインディングに関する研究や、「家族臨床の社会学」「情緒的自立の社会学」といった著作は、これらの分野における氏の多角的な視点と深い洞察を示している。

氏の主な著書には以下のようなものがある。

『社会福祉・児童福祉新講』明玄書房 1980年
『子ども家族福祉論・序説』高文堂出版社 1996年（生活と福祉全書）
『チャイルドマインディング もうひとつの子ども家族支援システム』高文堂出版社 1997年
『家族臨床の社会学』世界思想社 2000年
『子ども家族支援の社会学』世界思想社 2000年
『チャイルドマインダー 英国の家庭的保育が示唆するもの』日本かいく社 2001年
『家族支援論 なぜ家族は支援を必要とするのか』世界思想社 2003年
『情緒的自立の社会学』世界思想社 2007年
『富裕化社会に、なぜ対人関係トレイニングが必要か 自己への関心から他者への誠実な関心へ IPR』ぎょうせい 2009年

共編著としては、社会問題に関する年表の編纂から始まり、家族福祉や社会病理学、社会福祉調査、老人ケアなど幅広いテーマに関わっている。

『東北・上越新幹線問題関連年表』編 沖縄コレギア研究会 1980年
『名古屋新幹線問題関連年表』平永郁子共編 沖縄コレギア研究会 1980年
『自立と甘えの社会学』編 世界思想社 2002年
『よくわかる家族福祉』編 ミネルヴァ書房 2002年（やわらかアカデミズム・<わかる>シリーズ）
『社会病理学と臨床社会学 臨床と社会学的研究のブリッジング』清水新二, 広瀬卓爾共編著 学文社 2004年（社会病理学講座）
『社会福祉調査入門』木村直子共著 ミネルヴァ書房 2004年
『子どものウェルビーイングと家族』木村直子共著 世界思想社 2006年
* 『老人ケアのなかの家族支援 各専門職の役割とコラボレーション』編著 ミネルヴァ書房 2006年

また、エドウィン・M. シャーの『被害者なき犯罪』の翻訳（畠中郁子共訳、新泉社 1981年）も手掛けている。

長年の教育・研究活動を通じて、多くの学生や研究者に影響を与え、日本の家族社会学、福祉分野の発展に貢献している。

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