略綬

略綬（りゃくじゅ）とは

略綬は、受章者が正式な勲章や記章を佩用しない時に、その受創歴を示すために着用されるリボンです。日本では円形の略綬が政令で定められており、これは欧米で言うロゼットに相当しますが、実際には軍人が制服で着用する長方形のものが一般的です。この長方形の略綬は、英語では"ribbon bar"、フランス語では"service ruban"、ドイツ語では"Bandschnalle"などと呼ばれています。

略綬の目的と種類

勲章や記章のすべてを日常的に持ち歩くことは困難であり、紛失や損傷といったリスクが伴います。しかし、受章者はその功績を示したいという欲求を持っており、そのため略綬が発展しました。これにより、普段の服装においても勲章や記章を簡単に示すいことが可能となりました。

略綬にはいくつかの種類が存在しており、一般的には平服の襟に付けるスティックピン型、軍服に並べてつける長方形の型などがあります。基本的に略綬は、元々の勲章の綬（リボンや留め金）と同じ色合いや柄が使用されますが、長方形の略綬には勲章の等級や受章回数を示すための装飾が加えられることもあります。

制度と規定

略綬の着用や装飾に関する規定は、国や組織ごとに異なります。日本においては、内閣告示により個々の略綬を作成し、制服に着用することが容認されています。ただし、制服における装着位置や方式については厳密な規定が設けられており、海上保安庁や消防団でも同様に略綬の制度が存在することがあります。

着用方法

円型略綬は通常、ラペルのボタンホールに差し込んで着用されますが、長方形の略綬は制服の左胸ポケットの上などに配置するのが一般的です。複数の略綬を併用する際には、決まった順序に従い、列を作って着用するのがルールです。特に軍隊では、着替えの便宜から略綬は着脱できる形式が好まれる傾向にあります。

日本における略綬の歴史

日本では、勲章や記章に付属する略綬の制度は古くから存在しており、各種の勲章と一緒に制定されてきました。勲位や勲章のデザインと共に略綬も定められており、主に円形の略綬が卒業した兵士や自衛官などに授与されることが一般的です。

制服用略綬

制服用の略綬は、特に軍人向けの仕様であり、他の制服と併用することができます。制服用略綬のサイズ規定や色合いは、授与される勲章や記章と同様であり、制服の着用時には制加工の略綬を自作して着用できることが定められています。各種の勲章と併させて着用することも可能ですが、併用にあたっては様々なルールが存在するため、注意が必要です。

結論

略綬は勲章や記章の代替的な表示手段として、特に軍人や受章者にとって重要な役割を果たしています。そのデザインや着用に関する規定は、時代と共に変化しつつも、受章者の誇りや功績を示すためには欠かせない要素であると言えるでしょう。

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