番勝負

番勝負について

番勝負（ばんしょうぶ）は、主に囲碁や将棋の大会において同じ2名の対局者が何度も対戦し、最終的に勝利数が多い方を優勝者として決めるシステムを指します。「番」という言葉は対局の回数を示し、一般的には「七番勝負」などと数字を冠して表記されます。様々な回数の勝負の総称として「番勝負」が用いられ、囲碁では「番碁」と呼ばれることもあります。

番勝負の形態

番勝負にはいくつかの主要な形態があります:

1. 同一相手との複数回の対戦
これは最も一般的なスタイルであり、挑戦者がタイトル保持者に挑む場合やトーナメントの決勝戦などで見られます。例えば囲碁界ではこの形式を「挑戦手合い」と呼ぶことがあります。

2. 異なる対局者との連続対戦
一人の棋士が複数の相手と対戦する形式です。特にプロ編入試験やプロレスの試合形式として知られています。著名な例には山口瞳による「血涙十番勝負」があります。

3. 複数人の総当たり戦
複数の選手がチームを組み、順番に対局する形式がここにあたります。団体戦に似ていますが、一斉に行うのではなく、個々の選手が次々と対局を行います。

4. 一回勝負（一番勝負）
タイトル保持者と挑戦者が感舌する形式の一度きりの対戦です。普段は番勝負には含まれませんが、「一番勝負」と表現されることがしばしばあります。

番勝負の現代的な運用

現代の番勝負では、試合の決着が必要不可欠とされ、奇数番での対局が一般的です。例えば、三番勝負では先に2勝した方が勝者、五番勝負では先に3勝した方が勝ちとなるシステムです。また、勝敗が早く決まった場合、残りの対局はキャンセルされることが多いです。

タイトル戦においては、多くの場合、番勝負によって優勝者が決まります。例えば、囲碁の七大タイトル戦や将棋の全8タイトル戦はすべて、タイトル保持者と挑戦者が対戦する形で行われます。

囲碁の番勝負

• - 七番勝負: 棋聖戦、名人戦等
• - 五番勝負: 王座戦、天元戦等
• - 一番勝負: 王冠戦等

将棋の番勝負

• - 七番勝負: 竜王戦、名人戦等
• - 五番勝負: 清麗戦、女流王座戦等

番勝負に関する特記事項

時折、同じ対局者同士が同時期に複数の番勝負を戦う場合があります。この際、勝負の局数を合算し「○○番勝負」と呼ぶこともあります。例えば、2005年度の将棋タイトル戦では羽生善治と佐藤康光が連続して三つのタイトル戦に登場し、「十七番勝負」と称されました。

また、昔の番勝負では偶数番が一般的でしたが、現代では勝負の公平性を保つために奇数番が普及しています。

番勝負の歴史的背景

江戸時代から明治・大正時代にかけて、棋士の数が限られていたため、同じ相手と何局も戦って強さを序列化していました。特に名のある対局では、特定の期間を設けて集中的に戦うこともありました。

このように、番勝負という形式は囲碁や将棋における勝負の根幹をなすものであり、競技の公正性や勝者決定の確実性を高める重要な役割を果たしています。

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