番組対抗かくし芸大会

番組対抗かくし芸大会：新春を彩った、熱気と笑いの9年間

日本テレビ系列で、長きに渡り新春を彩ってきた人気番組「番組対抗かくし芸大会」。1979年から1987年までの9年間、日本テレビの各番組がチームを組み、持ち前の個性を活かしたかくし芸を披露する、視聴者参加型のエンターテインメント番組として多くの視聴者から愛されました。

番組は当初、歌合戦形式でしたが、1979年からはかくし芸形式へと転換。1985年からは、お年玉をかけた大会として、さらに盛り上がりを見せました。優勝チームにはハワイ旅行が贈られるなど、豪華な賞品も番組の魅力の一つでした。

放送日は、1981年までは主に1月2日でしたが、1982年からは『欽ちゃんの全日本仮装大賞』の開始や、TBS系列で類似番組『超豪華!番組対抗かくし芸』の放送開始（1980年～1984年）などの影響を受け、1月3日での放送が増加。1986年には、三が日以外での放送という異例なケースもありました。

華麗なるパフォーマンスと、意外な参加者たち

各番組は、バラエティ豊かなかくし芸を披露しました。中には、人気番組『笑点』の「白鳥の湖」による大賞受賞や、桂歌丸による賞金での家購入エピソードなど、伝説的な出来事も数多く生まれています。また、残念ながら1982年に急逝した三波伸介が出演予定だった『カルメン』の一部は、DVDで公開されるまでお蔵入りとなっていたという秘話も残されています。

さらに、アニメ番組の参加も大きな話題となりました。『ルパン三世』、『鉄腕アトム』、『あしたのジョー2』、『新・ど根性ガエル』、『伊賀野カバ丸』、『キャッツ・アイ』、『キン肉マン』、『魔法の天使クリィミーマミ』など、人気アニメのキャラクターたちが集結し、声優陣によるユニークなパフォーマンスを披露したこともありました。特に1981年のオールアニメーションによるパフォーマンスは、アトム、お茶の水博士、矢吹丈、金田正太郎といった人気キャラクターがヒゲダンスを踊るなど、当時大きな反響を呼びました。

地域限定番組や、一部地域で放送されない番組も参加していたことも特徴で、全国規模のイベントとしての側面も持っていました。

司会・スタッフ陣と、番組の変遷

司会は、徳光和夫、福留功男、小倉淳、木村優子など、当時の人気アナウンサーが務めました。制作には野崎元晴、プロデューサーには保坂武孝、白石重昭、長富忠裕、総合演出には高井牧人、ディレクターには増田昌昭、新沢浩など、多くのベテランスタッフが関わっていました。

審査方法は、著名人審査員による審査が中心でしたが、1982年には一般視聴者100名によるブロック審査を取り入れるなど、視聴者参加型の要素も取り入れられていました。

1988年には、番組は「巨泉・たけしのワールドスタークイズ」にバトンタッチ。翌年には箱根駅伝の中継拡大に伴い、日本テレビにおける新春の番組対抗特番は幕を閉じました。しかし、9年間の歴史の中で生み出された数々の名場面と笑いは、今もなお多くの視聴者の記憶に刻まれています。

番組の系譜と、類似番組

「番組対抗かくし芸大会」は、以前放送されていた「日本テレビ番組対抗歌合戦!!」の流れを汲む番組であり、TBS系列で放送された「超豪華!番組対抗かくし芸」とは、同じ新春番組対抗企画として、視聴率競争を繰り広げていました。特に1981年と1982年には、両番組が同日放送という事態となり、視聴者にとって貴重な比較対象となりました。

番組対抗かくし芸大会は、単なるバラエティ番組という枠を超え、各番組の個性を際立たせ、視聴者と一体となった、まさに新春のお祭り番組として、その地位を確立していました。

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