疾風ロンド

『疾風ロンド』（しっぷうロンド）は、日本の人気作家東野圭吾による長編サスペンス小説で、2013年11月に実業之日本社から文庫書き下ろしとして発表されました。この作品は、文庫本での書き下ろしとしては、1996年の『名探偵の呪縛』以来のもので、発売からわずか10日で100万部を突破するという驚異的な人気を誇ります。その後、2014年に単行本としても刊行され、2016年には映画化が実現されました。

あらすじ

物語は、泰鵬大学医科学研究所から始まります。研究所から新型の病原菌「K-55」が盗まれ、さらに所長宛に脅迫メールが届きました。その内容は、「全国民を人質にして3億円を要求する」というもので、残された時間はわずか4日。秘密裏に開発された生物兵器のため、警察に通報することもできず、事態は緊迫しています。

犯人は、元研究員の葛原であり、脅迫メールを発信した直後に交通事故で死亡したことが判明します。唯一の手掛かりは、葛原の遺品から見つかった受信機と、デジカメに記録されたテディベアの写真です。所長の東郷雅臣は、これに写るスキー場の特定を命じ、主任研究員の栗林和幸に「K-55」を早急に回収するよう指示します。

栗林は、息子の秀人と共にスキー場へ向かいますが、スキーの技術が乏しく、息子からも呆れられることに。そんな中、栗林たちを陰から狙う影が忍び寄ります。物語は、急展開を迎え、緊迫した状況の中で犯罪者との心理戦が繰り広げられます。

登場人物

- 根津昇平（ねづしょうへい）: 里沢温泉スキー場のパトロール隊員で、元スノーボード選手。
- 瀬利千晶（せりちあき）: スノーボード大会に出場するために里沢温泉スキー場に来ている。
- 栗林和幸（くりばやしかずゆき）: Thesis 研究所の主任研究員。
- 栗林秀人（くりばやししゅうと）: 栗林の中学2年生の息子で、スノーボードが趣味。
- 他にも、地域の中学生たちや、研究者、犯人など多彩なキャラクターが物語に絡みます。

映画情報

映画『疾風ロンド』は、2016年 11月26日に公開され、東野圭吾原作を基にしたストーリーが展開されます。監督を吉田照幸が務め、主なキャストには阿部寛が主人公の栗林和幸を演じ、他にも大倉忠義や大島優子など豪華なメンバーが揃っています。

結論

『疾風ロンド』は、サスペンスやミステリーが好きな読者におすすめの作品であり、緊迫した状況下での人間ドラマや心理描写が巧みに描かれています。原作小説と映画の両方を楽しむことで、異なる視点から物語を堪能できることでしょう。特に、作中の緊張感あふれる展開や個々のキャラクターの心理が、読者や観客を引き込む要素となっています。

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