登記所 (琉球政府)

登記所について

登記所とは、琉球政府法務局に設置されていた登記事務を専門とする行政機関です。本土における法務局や地方法務局の支局・出張所とは異なり、琉球政府においては、支分部局として「登記所」という名称の独立した機関が設けられていました。これは、本土の法務局における登記部門とは異なる琉球政府独自の行政体制を反映したものです。

琉球政府における登記所の特徴

本土では、登記事務は法務局や地方法務局の内部組織である支局や出張所が行いますが、琉球政府では、これらの組織とは別に「登記所」という名称の機関を設けていました。この点は、琉球政府の法務行政の特徴を示すものと言えるでしょう。

復帰後の登記所

沖縄が本土に復帰する際、これらの登記所は、那覇地方法務局の「支局」または「出張所」に改められました。これにより、琉球政府時代の独自の行政組織は、本土の法務局の体制に統合されることとなりました。

戦前の登記事務

明治39年（1906年）には、沖縄県でも不動産登記法が施行され、区裁判所の出張所が県内各地に設置され、登記事務が行われていました。当時の出張所は、那覇の本庁のほか、首里、与那原、具志川、糸満、嘉手納、久米島、名護、渡久地、大宜味、金武にありました。これらの出張所は、現在の登記所の前身にあたると言えます。

登記所の一覧

琉球政府時代に存在した主な登記所は以下の通りです。

那覇登記所
糸満登記所
与那原登記所
久米島登記所
普天間登記所
コザ登記所
前原登記所
石川登記所
宜野座登記所
名護登記所
大宜味登記所
本部登記所
宮古登記所
八重山登記所
与那国登記所

これらの登記所は、琉球政府の行政機構において重要な役割を担っていました。

参考文献

照屋栄一『沖縄行政機構変遷史明治12年～昭和59年』照屋栄一、1984年8月15日。NDLJP:9775065。