白いソアラ

白いソアラ：呪われた高級クーペの都市伝説

白いソアラは、1980年代頃から若者を中心に語り継がれている都市伝説です。その内容は、群馬県の国道沿いにある中古車販売店で、異常に安価で販売されている白いトヨタ・ソアラを巡るもの。

物語の概要

物語は、国道沿いの中古車販売店に展示された一台の白いソアラから始まります。数万円という破格の値段に惹かれ購入した人は、皆同じように事故死してしまうのです。事故の内容は凄惨で、運転中に首を切断されるというもの。そして、事故を起こしたソアラは、再び安価で売りに出され、次の犠牲者を探し続けるというのです。

都市伝説の背景

この都市伝説の起源は定かではありません。一説には、海外で流行した「呪われたポルシェ」という都市伝説が変化したものとも言われています。舞台が「群馬県の国道沿い」である理由も不明ですが、語り継がれるうちに特定の場所が設定されたのかもしれません。

また、話によっては「ソアラは元々暴走族の所有車で、箱乗りをしていて事故死した」という設定が加わることもあります。類似の都市伝説として「首チョンパソアラ」と呼ばれるものも存在します。

スーパーホワイトブーム

都市伝説とは別に、1980年代のハイソカーブーム期には「スーパーホワイトブーム」という現象がありました。これは、トヨタが開発した純白に近いボディカラー「スーパーホワイト」が人気を博し、ソアラがその代名詞的な車種となったものです。

初代ソアラ（Z10系）で「スーパーホワイト」が初登場し、その後「スーパーホワイトII」「スーパーホワイトIII」へと進化。兄弟車のスープラ（A70系）では「スーパーホワイトIV」まで登場しました。この流れはクラウンやマークIIなどの車種にも広がり、当時の販売車両の多くが白いボディカラーを纏っていました。下取り価格が優遇されたり、納車が早かったりしたことも、ブームを後押ししました。

現在でも「スーパーホワイトII」は、トヨタの定番色として一部車種に採用されています。しかし、レクサスブランドの登場以降は、より純白度と光沢感の高い「ホワイトパールクリスタルシャイン」が主流となっています。

類似作品との関連性

この都市伝説は、過去の様々な作品にも影響を与えています。

ジゴロ次五郎: トラックの下に潜り込む死亡事故でルーフを破損したソアラをニコイチして販売するエピソードが存在します。
湾岸ミッドナイト: 「悪魔のZ」と呼ばれる日産・S30型フェアレディZは、前所有者の事故死後、事故と修復を繰り返した結果、主人公の手に渡ります。

白いソアラの都市伝説は、安易に高級車に飛びつくことへの戒めや、事故物件への恐怖心などが反映されたものかもしれません。今もどこかで、白いソアラが次の犠牲者を待ち続けているのでしょうか。

もう一度検索