白い勲章

白い勲章

『白い勲章』は、昭和を代表する歌手、美空ひばりが1976年2月10日に日本コロムビアからリリースしたシングル曲です。この曲は、ただの歌謡曲ではなく、戦時中に学徒出陣で命を落とした若者の日記をモチーフにした、非常に重みのある作品です。

概要

A面を飾る『白い勲章』は、戦没した大学生、宅島徳光の日記に着想を得て作られました。美空ひばり自身が歌詞の一部を補作詞しており、彼女の30周年リサイタルでは、万感の思いを込めてこの曲を歌い上げ、聴衆の心を深く揺さぶりました。

宅島徳光は、大日本帝国海軍の海軍中尉であり、文才に長けた人物でした。鹿児島県の出水海軍航空隊に所属し、飛行訓練の合間に綴った手記「くちなしの花」は、戦後、多くのメディアで紹介され、書籍としても出版されました。ひばりは、この手記の一部を引用し、歌詞を補作詞したとされています。この行為は、単に歌を歌うだけでなく、戦没者の魂を現代に伝えるという、ひばりの強い意志の表れと言えるでしょう。

収録曲

『白い勲章』の収録曲は以下の通りです。両曲とも作曲と編曲は船村徹が担当しています。

1. 白い勲章
作詞：宅島徳光、補作詞：美空ひばり
2. 坊やの終列車
作詞：枯野迅一郎


このシングルは、単なる歌謡曲の枠を超え、戦争の悲劇と、そこから得られる教訓を、後世に伝える重要な役割を担っています。特に、美空ひばりが補作詞に携わったことで、歌に込められたメッセージは、より一層深みを増しました。彼女が歌うことで、戦没者の無念と、平和への祈りが、聴く人々の心に深く刻まれたのです。

関連項目

* 1976年の音楽

この曲は、1976年の音楽シーンにおいて、特筆すべき存在であり、単なる流行歌としてだけでなく、歴史的な背景を持つ楽曲として、今もなお多くの人々に愛され、歌い継がれています。美空ひばりの歌声を通して、私たちは戦争の悲惨さと、平和の尊さを改めて認識することができます。

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