白い巨塔 (1978年のテレビドラマ)

白い巨塔

概要

「白い巨塔」は、フジテレビ系列で1978年から1979年にかけて放送されたテレビドラマで、全31話から成り、約24時間に及ぶ総集編が1979年に放送されました。このドラマは、著名な作家・山崎豊子の同名小説「白い巨塔」及び続編「続・白い巨塔」に基づいています。本作は田宮二郎が主演し、彼の代表作とされていますが、作品放映中に彼は自ら命を絶ってしまい、その悲劇が視聴率に激しい影響を与えました。

物語の背景

「白い巨塔」は、医療の現場を舞台に、医師の名誉と権力、真実と嘘、愛と裏切りが交錯するドラマであり、主人公の財前五郎がどのようにして名医としての地位を築くのか、またそれに伴う悲劇を描いています。田宮は映画版でも同役を演じており、続編のドラマ化を強く望んでいました。その背景として、田宮は3度目の映像化を必死に求め、原作の神髄を映し出すことに情熱を燃やしていました。

放送と影響

初回の視聴率は18.6%を記録。しかし、田宮の不運な出来事が放送中に起こり、最終回直前には視聴率が急上昇して31.4%に達しました。これには、彼の自殺が影響していると言われています。この悲劇的な結末は視聴者の心に深い印象を残し、ドラマ放映後も様々な形で再評価され続けています。

撮影親密さ

ドラマの手術シーンのほとんどは、実際の手術が行われる場面を撮影したもので、医療従事者の協力のもとで進められました。田宮はリアリティを追求するあまり、実際にカエルの解剖を行い、手術手順を完全に把握しようとしました。さらに、撮影中には自身の精神的な問題が影響し、一時的に撮影が困難になる場面もありましたが、共演者やスタッフの協力で乗り越えました。

役者陣とキャラクター

主要なキャストには、財前五郎役の田宮二郎をはじめ、山本學、加藤嘉、小沢栄太郎などが名を連ねています。彼らは、それぞれの役に命を吹き込み、物語に深みを与えるために力を尽くしました。特に田宮は、キャラクターの内面を掴むために多くの努力をしました。最終シーンでは、癌患者となりきるために自ら絶食するなど、役作りに真摯に取り組みました。

再評価と放送

本作は、年を重ねるごとに再評価され、2001年には全話収録のビデオやDVDが発売され、再放送や特別版も放送されました。また、2003年には同じ原作でリメイクされたドラマが放送され、再び多くの視聴者に「白い巨塔」が注目されることになりました。

結論

「白い巨塔」は、ただの医療ドラマに留まらず、人間の本質や社会の闇を鋭く抉った作品です。田宮二郎の演技と、物語の深さは、現在でも多くの人々に感動を与えています。彼の名演はこの作品を時代を超えた名作にし、視聴者の心に深い印象を残しました。

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