白化 (植物)

白化（クロロシス）についての詳細

植物において、白化は葉の中のクロロフィルの不足によって引き起こされ、葉が通常の緑から黄色や白色へと変わります。この状態では光合成が正常に行われず、結果として植物の成長に影響を及ぼします。特にモデル植物であるArabidopsis thalianaの変異体ppi2では、外部からのスクロース供給がなければ生存が難しいことが示されています。

白化の語源

「クロロシス」という言葉は、ギリシャ語の「khloros」に由来し、「色が薄い」や「青白い」という意味を持ちます。この用語は、植物が栄養素を十分に摂取できていない状態を表すのに用いられます。

ブドウ栽培における白化

白化は特にブドウ栽培で見られる一般的な栄養失調のサインであり、特に石灰岩の多い土壌で起こりやすいとされています。たとえば、イタリアのピエモンテ州のバローロ地区や、スペインのラ・リオハ州、フランスのシャンパーニュやブルゴーニュ地方では、白化は観察される重要な現象です。

白化の症状と原因

白化の発症は、多くの栄養素の欠乏に関連しており、具体的には次のような要因が考えられます：

• - 土壌中の特定のミネラル（鉄、マグネシウム、亜鉛など）の不足
• - 土壌中の窒素および植物体内のタンパク質不足
• - ミネラルが不溶化し、植物の根で吸収できなくなる土壌pHの変化
• - 土壌の水はけが悪くなったり、根が水浸しになる状態
• - 根の損傷や過密化
• - 農薬、特に除草剤の影響
• - 二酸化硫黄やオゾンの被害
• - 病原菌の影響、例えばPseudomonas syringae pv. tagetisなどの感染

これらの要因は植物の種類によって異なり、例えばアザレアは酸性土壌に強い一方、イネは水浸しの土壌を好むといった具合です。

ブドウにおける白化の歴史

ブドウもまた、白化の症状が見られる植物の一つです。特に石灰岩の多い土壌ではダメージが顕著です。19世紀中期には、ブドウネアブラムシの被害により、ヨーロッパのブドウ栽培に大きな打撃がありました。この時期、ブドウ栽培は厳しい状況に直面し、アメリカ原産のブドウ種を台木として用いることで乗り越えましたが、これらの品種は特にフランスの石灰質土壌に適応できず、再度白化の症状が見られるようになりました。

対策

白化症状への対策としては、鉄のキレート剤（EDTA鉄など）や硫酸鉄を使って、土壌の栄養状態を改善する方法が有効です。また、マグネシウムや窒素化合物の施用も推奨されます。

関連事項

白化に関する知識は、亜鉛欠乏症など他の植物の栄養不良にも応用されるため、十分な理解が求められます。特に農業や園芸においては、これらの知識を用いて適切な管理を行うことが重要です。

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