白川昌生

白川昌生（しらかわ よしお、1948年1月27日 - ）は、日本の美術家、美術評論家です。本名を白川芳夫といい、群馬県立女子大学や前橋工科大学で講師を務めています。

福岡県戸畑市（現在の北九州市戸畑区）で生まれた白川は、九州産業大学芸術学部を中退後、ドイツの国立デュッセルドルフ美術大学へ進学し、マイスターの称号を得て卒業しました。その後、フランスやドイツで作家活動を展開し、1983年に帰国。帰国後は、地域と美術をつなぐ活動に力を注ぎ、1993年には美術活動団体「場所・群馬」を設立しました。

白川の活動は、美術作品の制作にとどまらず、美術評論や社会問題に対する考察も含まれます。2017年には、自身の作品である「群馬県朝鮮人強制連行追悼碑」が群馬県立近代美術館の企画展への出品を取り消されるという出来事がありました。この際、白川は美術館側の対応を「作家の権利と公共の利益を省みない不当な判断」と強く批判しました。その後、この作品は渋川市のギャラリーで展示されました。

白川は、美術作品の制作活動と並行して、多数の著作も発表しています。これらの著作を通じて、美術史、美術市場、地域社会、マイノリティの問題など、多岐にわたるテーマについて考察を深めています。

主な著書には、以下のものがあります。

『白川昌生作品集』（現代企画室、1995年）
『美術、市場、地域通貨をめぐって』（水声社、2001年）
『美術・マイノリティ・実践 もうひとつの公共圏を求めて』（水声社、2005年）
『美術・記憶・生』（水声社、2007年）
『美術館・動物園・精神科施設』（水声社、2010年）
『西洋美術史を解体する』（水声社、2011年）
『贈与としての美術』（水声社、2014年）

共編著としては、

『日本のダダ 1920-1970』（風の薔薇、1988年）
『村山知義とクルト・シュヴィッタース』（水声社、2005年）
『フィールド・キャラバン計画へ　白川昌生2000‐2007』（水声社、2007年）
『彫刻の問題』（トポフィル、2017年）

などがあります。

白川昌生の活動は、単なる美術の領域にとどまらず、社会的な問題や歴史に対する深い洞察に基づいています。彼の作品や著作は、美術を通じて社会と向き合い、様々な視点を提供することの重要性を示唆しています。

白川昌生の関連情報については、以下のリンク先を参照してください。

白川昌生 - 美術手帖
* 白川昌生 - rin art association

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