白川村立白川小学校馬狩分校

白川村立白川小学校馬狩分校の歴史

白川村立白川小学校馬狩分校は、岐阜県大野郡白川村に存在した公立小学校の分校で、この地域の教育の変遷を示す重要な史跡の一つです。この分校は、馬狩地区に位置しており、周囲を山々に囲まれた自然豊かな場所に立地していました。そのため、冬季には3メートルを超える積雪があり、厳しい気候条件にさらされる地域であったことが特徴です。

沿革の概要

馬狩分校は、地域住民の教育を支えるために早くから設立が進められました。あまり知られていませんが、未認可の冬季分教場が信称寺に早くから設置されていた経緯があり、後に公式な教育機関として認可されることになります。具体的には、1939年10月に白川尋常高等小学校馬狩冬季分教場として正式に認可され、新しい校舎もこの際に建設されました。

その後、1941年には名称が白川国民学校馬狩冬季分教場に改称され、さらに1947年には白川村立白川小中学校馬狩冬季分校と名を変え、地域の教育環境の整備が進められました。

学校運営の変遷

1948年には中学校の授業が廃止され、小学校のみの運営になることが決定。これにより、小学校1年生から4年生までの児童がこの分校に通うようになりました。そして1952年には常設の分校として設立され、公式に白川村立白川小学校馬狩分校として始まります。

1960年に入ると、再び冬季の中学校の授業が始まり、小学校は一年を通じて児童を受け入れ続ける一方で、中学生は冬季のみの通学となります。これは、この地域の特異な気候に合わせた柔軟な教育体制の一環でした。

1961年11月には、校舎の改築が行われ、木造の2階建ての校舎が完成しました。この新しい校舎は、地域の児童たちがより良い環境で学ぶための重要なスペースとなりました。

廃校への道

しかしながら、1972年に馬狩地区は集団離村に至り、地域の住民が減少することになります。この影響を受け、1973年には廃校が決定され、3月31日をもって閉校となりました。廃校時の児童数はわずか1名であり、その歴史の終焉を迎えることとなりました。

資料と地域の記憶

白川村立白川小学校馬狩分校の歴史は、地域社会の変革と共にあった学校の物語でもあります。資料としては、1998年に発行された『新編白川村史 中巻』に記録が残されており、この分校の詳しい沿革についての情報が掲載されています。

この分校は、現在では廃校となっていますが、かつての地域の教育の重要性を今なお伝える存在として、多くの人々に知られています。そして、岐阜県内の廃校一覧に名を連ねることとなったこの分校の歴史は、地域の文化遺産としての価値も持っています。

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