白波瀬佐和子

白波瀬佐和子：社会学者・国際公務員

白波瀬佐和子（しらはせ さわこ）は、日本において著名な社会学者であり、国際公務員としても活躍しています。京都府で生まれた彼女は、同志社女子大学の家政学部を1981年に卒業し、その後お茶の水女子大学の大学院で修士課程を修了しました。

1989年にはコロンビア大学東アジア研究所での研究活動を経て、1997年にオックスフォード大学から社会学のD.Phil.（博士号）を取得しました。その後は、国立社会保障・人口問題研究所の室長として実務に従事し、さらに筑波大学や東京大学での教授職を務めました。

彼女の学問的な専門分野は、少子社会論や格差論にあり、これに基づいて多くの研究や著作を発表しています。特に、少子高齢社会におけるジェンダーの観点からの格差問題に焦点を当てた著作が多く、代表作には『少子高齢社会のみえない格差』や『日本の不平等を考える』があります。これらの書籍は、政策立案や社会問題の理解に寄与するものであり、広く評価されています。

また、白波瀬氏は国際公務員としてのキャリアも豊富で、国際連合事務次長補、国際連合大学上級副学長としての役割を担ってきました。さらに、国際学術会議や復興推進委員会など、日本の社会課題に関わるさまざまな組織においても重要なポジションを務めています。

2022年からは国際学術会議の副会長（財務担当）として活動を開始し、国際的な視点からも日本の社会問題に取り組んでいます。彼女はまた、内閣府の研究会においてCOVID-19の影響を受けた女性の課題に焦点を当てるなど、社会の変化に敏感な活動を展開しています。

国際的な舞台での彼女の存在感は徐々に増しており、2023年にはG7ジェンダー平等アドバイザリー評議会の議長に任命されています。これにより、国際的な政策形成にも大きな影響を持つことになるでしょう。

2022年には故安倍晋三の国葬儀に国連大学の代表として参列することが発表され、日本国外務省からも注目を浴びました。これらの活動を通じて、白波瀬佐和子は日本社会や国際社会において重要な役割を果たしています。彼女の広範な知識と経験は、今後の社会変革においても大きな貢献をするでしょう。

彼女の著作

白波瀬氏の著書には以下のようなものがあります。

• - 『少子高齢社会のみえない格差――ジェンダー・世代・階層のゆくえ』（東京大学出版会, 2005年）
• - 『日本の不平等を考える――少子高齢社会の国際比較』（東京大学出版会, 2009年）
• - 『生き方の不平等――お互いさまの社会に向けて』（岩波新書, 2010年）

彼女の研究や著作は、少子化や高齢化が進む日本社会の問題を明らかにし、今後の政策に対する重要な示唆を提供しています。

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