白石太一郎

白石 太一郎（しらいし たいちろう）

白石太一郎（1938年11月14日生まれ）は、日本を代表する考古学者であり、国立歴史民俗博物館の名誉教授として、また総合研究大学院大学の名誉教授としても知られています。また、大阪府立近つ飛鳥博物館の名誉館長も務めています。

経歴

白石氏は大阪府大阪市に生まれました。彼は大阪星光学院高等学校を卒業後、1961年に同志社大学の文学部文化学科文化史専攻を卒業しました。大学院に進み、1964年には修士課程を修了し、1968年には博士課程を単位取得満期退学しました。その後、1986年に古代学協会の研究員として活動を始め、1969年からは奈良県立橿原考古学研究所に勤務しました。

白石氏は1978年に文化庁の国立歴史民俗博物館設立準備室の調査官に就任し、1981年に博物館が開館すると、同館の助教授に就任しました。1984年には教授に昇進し、副館長へと昇格しました。2004年に定年退職した際には名誉教授となり、同年から奈良大学文学部で教鞭をとり、2009年に同大学を定年退職しました。退職後は大阪府立近つ飛鳥博物館の館長を務め、多くの大学での客員教授を兼任しています。

受賞・栄典

彼の業績は高く評価されており、2002年には雄山閣考古学賞を受賞しました。また2020年には地域文化功労者表彰を受けています。

研究内容・業績

白石氏の専門は日本考古学であり、特に日本の古代国家や古代文化の形成過程を解明することを目指しています。彼は邪馬台国畿内説を支持し、邪馬台国の時代の土器の移動に関する研究を行っています。これにより、神武東征伝説が実際には史実でなかった可能性を指摘しています。また、箸墓古墳の被葬者を卑弥呼に比定し、その古墳年代を基に天理市の西殿塚古墳を台与の墓だと観察しています。しかし、彼の説の多くが炭素年代測定法によって裏付けられているものの、年代測定の結果は近年の研究によって50年から100年古い可能性が示されたため、学会での定説とはなっていないのが現状です。

著作

彼は多数の著書や共著があります。代表的な著作には『墳丘と内部構造』、『古墳の造られた時代』、『古墳の語る古代史』などがあります。また、彼が編集した資料や共著も数多く、考古学と古代史の分野での影響は計り知れません。特に、古墳に関する研究は広範にわたり、彼の分析や見解は今も多くの研究者に影響を与えています。

白石太一郎氏の研究は、日本の古代史の理解を深めるための重要な基盤となっており、彼の業績は今後も多くの人々に受け継がれていくことでしょう。

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