白羽村

白羽村の概要

白羽村（しろわむら）は、静岡県中部、榛原郡の南端に位置していた村で、現在の御前崎市の東部にあたります。この地域は、南側に遠州灘、東側には一部が駿河湾に面し、自然豊かな環境に恵まれています。

歴史

白羽村は1889年（明治22年）4月1日に町村制施行に伴い、単独村制として発足しました。その後、1955年（昭和30年）3月31日に御前崎村と合併し、御前崎町となりました。さらに、2004年（平成16年）4月1日には御前崎町が浜岡町と合併し、御前崎市となりました。このように、白羽村は長い歴史の中で地域の変遷を経てきました。

地理的特性

白羽村は、遠州灘に面し、部分的に駿河湾の海岸にも接しています。自然環境に恵まれ、多様な生態系が広がっていますが、地形的には台地が多く、水利条件が良くないため、農業においては厳しい状況が続いていました。

地域名

村の大字名は「白羽」であり、その名残を残す地名として現在も使用されています。

産業

白羽村は農業が主な産業でした。農業の中心は、台地での水田の少なさから、野菜の栽培に特化していました。主要な作物には、たまねぎ、さつまいも、だいこん、すいかなどの蔬菜が含まれています。特に、1824年に白羽村の栗林庄蔵が「煮切り干し法」を考案したことから、切り干し芋の発祥地としても知られています。この技術は後に茨城県に伝わり、郷土料理である「干し芋」として発展しました。

20世紀に入ると、御前崎村での遠洋漁業が盛んになり、多くの村人が漁業に従事するようになりました。1950年代から60年代にかけては、村での農業に従事するのは主に女性や高齢者のみで、丈夫な男子の多くが漁師として働くようになりました。

戦後には、御前埼燈臺を背景にした観光産業が発展し、新鮮な魚介類が大きな売り物になりました。また、メロンやかすみ草などの温室園芸の栽培も行われるようになりました。しかし、近年では漁業や観光業が不振に陥り、人口の高齢化が進んでいるという課題を抱えています。

結論

白羽村はその独自の歴史や産業、自然環境に恵まれた地域として知られてきましたが、人口の高齢化や産業の衰退という現実に直面しています。それでも、切り干し芋の発祥地としての文化や、地域の自然環境は今なお多くの人々に愛されています。

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